下痢、血便の原因は赤痢?

下痢が続く、よく下痢になる等の原因は様々ですが主な原因として食べ過ぎや飲みすぎ、はたまたストレスといった日常生活が原因となる下痢が考えられます。

下痢が続くのは病気の一つ「赤痢」を疑う

しかしどれも該当しない、もしくは突然始まる急性の下痢の場合は、病気を疑う必要があります。 「赤痢」とは下痢に血液や粘液が混じった状態の便です。
また、この「赤痢」症状がおこる病気の名前も、同じく「赤痢」と呼ばれています。突然の下痢に血が混じっていると、それだけで驚いてしまいますよね。しかし原因や対処法もしっかり確立されていますので、大丈夫ですよ。 まずはご自分の便の色をよく見て、危険な下痢かそうでないかを見分けれたらいいですね。

●下痢が続く原因の一つ赤痢

この赤痢には実は2種類あります。
【細菌が原因】の赤痢と
【赤痢アメーバ】が原因の赤痢です。

この2つの赤痢はまったく別の病気です。
しかし、下痢や腹痛など非常に似たような症状がおこり、感染経路もよく似ています。 100年ほど前までは、この2つの赤痢は区別がつかなかったため、同じ病気と思われていました。日本でも1999年までは、法律的には同じものとして扱われていました。 どちらも感染者の隔離が必要でしたが、法律が改正されたため、現在ではアメーバ赤痢については隔離入院は不要になっています。 「アメーバ赤痢」の原因は「赤痢アメーバ」という寄生虫(原虫、アメーバ)が原因です。
原虫という文字には、虫という漢字が使われていますが、正確には虫ではありません。顕微鏡を使わないと見ることができないくらいの小さな生き物です。 この赤痢アメーバには、人の糞便に含まれたアメーバのシストが、口から腸に入ることによって感染し血の混じった下痢を引き起こす原因になります。シストとは卵のようなものです。 シストは口から入ると、途中で栄養型のアメーバに変身しながら大腸まで進みます。栄養型とは昆虫でいうところの成虫のようなものです。 そして、大腸では栄養型のアメーバは腸を食い破って潰瘍を作ったり、血液の流れに乗って肝臓に入り膿の固まりを作ったりします。
若者の腸が危ない
このため、アメーバ赤痢では下痢に血液や粘液が混ざったり、肝臓周辺(主に右の脇腹)が痛くなったりします。しかし、赤痢アメーバに感染してもほとんどの人は無症状です。症状がでるのは感染した人の1割くらいです。 そして、症状がでたとしても人よりトイレの回数が増えたり、便に痔のように少しの血が混ざるくらいの軽症となることがほとんどです。日常生活は普通に行うことができます。
それでも、たまに血液と粘膜の混じった激しい下痢と腹痛を起こす人もいます。 以前の日本ではアメーバ赤痢になる人は少なく、わりと珍しいものでした。 1990年代の報告数としては、年間100~200人くらいです。
しかし、2000年以降は急増しています。2013年には報告数だけで年間1000件を超えました。同性愛者の人たちを中心に感染が広がっていると思われます。 赤痢アメーバに感染しても9割は下痢などの症状もなく無症状なので、実際の感染者としては数万人はいると推測できます。また、症状が出ない人が多いため感染も広がりやすいです。
今後も増加していく可能性もあるため注意が必要です。 アメーバ赤痢では、たまにアメーバが血液の流れから肝臓に入り込むことがあります。
この場合、アメーバ性の肝膿瘍(かんのうよう)になり、肝臓に膿の固まりが作られます。 アメーバ性肝膿瘍は特に男性に多く、女性の7~10倍くらい発症しやすいです。
赤痢アメーバの感染予防にはこのようなことが大切です。 赤痢アメーバのシストは湿った環境には強いですが、乾燥や熱には弱いです。食べ物をしっかり加熱することは非常に有効です。 また特に下痢になりやすい方は手洗い、うがいをしっかり行うなど、基本的な衛生管理を行うと同時に、腸内環境を良好に保ち、少々の菌に負けない腸内環境を作り上げ、内側から防御することも大切です。

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