食中毒になる食器のつけ置

下痢の原因は食中毒を起こす食器のつけ置きなど他
食中毒による下痢の原因は夏でも冬でも起きやすいものです。

現代では冬の暖房が行き届き、室内でも20℃以上は保たれている状態ですので、食中毒は起きやすくなっていると言っても過言ではありません。

食中毒は食べ物が原因だけではありません。
日々の生活の中にも原因があるのです。ではどんな時に起きるのでしょうか。


目次
・食中毒の原因となる食器のつけおき  ・10時間後に菌が7万倍に  ・ブドウ球菌が下痢や病気を引き起こす  ・食中毒の原因にビニール袋のストック  ・すすいでもサルモネラ菌検出 ・加熱しても冷凍しても死なない菌  ・食中毒の原因となるまな板 ・腸内環境を強化しよう

食中毒の原因となる食器のつけ置き

後片付けは多くの人が出来れば避けたい家事の一つです。

忙しいから、疲れているから、面倒なので、そこでついついしてしまいがちなのが、使い終わった食器の長時間の浸け置きです。

朝ごはんや夕ご飯の食器を水に浸け、「帰ってきたら洗おう」、「明日の朝洗おう」などと放置してしまうことがないでしょうか?

この状態は糖分やアミノ酸などをエサに食中毒菌が増えやすい環境になってしまいます。

そもそも、菌が発育しやすい条件は「栄養」「水分」「温度」の3つです。

食べ終わったあとの食器は栄養たっぷりで、つけおきにすれば水分もばっちり、菌が繁殖する条件にぴったりなのです。

長時間もつけてしまうと菌が増殖しやすい温度になるので、菌の量が爆発的に増えてしまいます。
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食器のつけ置きは10時間後には食中毒菌が7万倍に増える

「衛生微生物研究センター」が行った実験によると 食後のごはんやおかずがついたままの食器を、10時間水につけ置きすると、つまり一晩おくと、

ブドウ球菌・大腸菌などの一部の菌数が、約7万倍に増殖することがあり、その細菌数は、“キッチンの排水口並み”になったそうです。

この状態の食器をスポンジに洗剤をつけて洗っても、最大で1,000分の1程度にしか菌が減らなかったそうです。

ただし、浸けてすぐさま増えるのではなく約2時間後から盛んに増殖し始めるので、浸け置きは1~2時間以内であれば、大丈夫だそうです。
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☆下痢をはじめ様々な病気を起こすブドウ球菌

私たちの身のまわりには、たくさんの細菌が生息しています。

ブドウ球菌には、黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌があります。

ブドウ球菌は顕微鏡で見ると、葡萄の房状に集まって見えることから、その名前がつけられています。

どちらも人間の皮膚にどこにでもいる常在菌で、健康なときには害を受けることはほとんどありません。

しかし、免疫力が低下したり、傷口から体内に侵入し増殖したりすると、感染症を引き起こします。

場合によっては、食中毒だけでなく、ブドウ球菌に感染して他の病気になることもあるので、注意が必要です。

ブドウ球菌が感染する部位によって、発症する病気と症状が異なります。
ブドウ球菌に感染した場合の主な病気と症状は以下の通りです。

●食中毒
化膿した傷がある手で調理後の食品や調理器具を触ることで、口に入れる物がブドウ球菌によって汚染され、それを食べることで食中毒になります。

ブドウ球菌による食中毒の主な症状は、嘔吐や下痢、腹痛です。発熱はなく、原因の食事をとって数時間で急激な症状が現れるという特徴があります。

●骨髄炎や敗血症
病原性は表皮ブドウ球菌より黄色ブドウ球菌の方が高く、抗生物質が効きにくいメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)というものも存在します。

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌は抗生物質が効きにくいため治療が難しく、重症化すると、骨髄炎や敗血症などを起こします。

●とびひ(伝染性膿痂疹)
とびひは、虫刺されやあせもなどを掻き壊した傷から、おもに小児期にみられることの多い病気です。

黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌が感染して起こる細菌皮膚感染症です。

とびひにかかると、強いかゆみを伴った水ぶくれができ、膿んで破けます。

かゆみがあるため、ついつい搔いてしまい、水ぶくれの汁がついた手で他の部位を触ることで、感染が全身に広がっていきます。

●ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群は、新生児・低月齢の乳児に多く、ブドウ球菌がもつ毒素が全身に回ることで生じます。

首やわきなどの皮膚のびらんから始まり、短期間で全身にやけどと似た皮膚症状が現れ、大きくむけてしまいます。

●化膿性乳腺炎
ブドウ球菌に感染すると、授乳中のママが乳腺炎を発症することがあります。乳児に歯が生え始めると、授乳の際に乳首を傷つけてしまうことがあり、そこからブドウ球菌が入り込むと発症します。

化膿性乳腺炎の主な症状としては、発熱や悪寒、おっぱいの腫れやしこりなどが挙げられます。

●骨髄炎
骨髄炎とは、ブドウ球菌菌が骨に侵入して炎症が起きている状態です。

発症すると、発熱や皮膚の腫れ、倦怠感、食欲不振などが現れます。

●肺炎
ブドウ球菌が肺に感染することで、肺炎を発症することがあります。免疫力が低い新生児や乳児にみられます。

高熱とともに痰のからんだような咳が出て、急激な呼吸困難になるのが特徴です。ひどい場合は膿胸(のうきょう)とよばれる胸膜腔に膿がたまった状態になり、肺での広範囲な感染が見られます。

●敗血症
原因菌にはさまざまなものがあり、多いのはレンサ球菌、大腸菌、ブドウ球菌、肺炎菌などです。

健康な人ではこれらの細菌が血液中で増殖することはありませんが、からだの抵抗力がおとろえていると、かかりやすくなります。

敗血症は原因菌の種類に関係なく、いずれかの感染巣から血流中に菌が入り込み、高熱や頻脈、呼吸数の増加などといった全身的な症状を呈するような状態になったものを指します。

近年では、全身的な炎症反応が特徴であることから、「全身性炎症反応症候群」とも呼ばれています。

このような状態におちいると生命の危険が増すため、緊急な治療を必要とします。敗血症は人から人へと感染することはありません。

血流中に菌が入り込んでも頻脈や呼吸数の増加を伴わない状態のときは、病状が敗血症より軽く「菌血症」と呼ばれています。
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食中毒の原因となるビニール袋のストック

更についつい、してしまいがちなのがスーパーのビニール袋をストックし、再利用することです。

ジッパー付のポリ袋は、食品の保存用に重宝されます。

手で「パチッ」と留めれば、簡単に密閉状態がつくれる。

1度使っただけならジッパー部分は壊れないし、袋も丈夫なので再利用したくなるかもしれません。

肉や魚の袋はもちろん危険ですが、野菜にも細菌や微生物がたくさん付着しているので、生鮮食品の入っていたビニール袋などの再利用は避けましょう。

洗えば大丈夫だと思われがちですが、洗っても菌は充分に落ちませんので、絶対に避けましょう。
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●洗剤で洗い3回すすいでもサルモネラ菌検出

2017年10月10日放送の「あさイチ」(NHK)では、麻布大学食品安全科学研究室での検証実験の様子が放映されました。

それは「肉に下味をつける」作業を再現し、ジッパー付ポリ袋に鶏肉と酒、しょうゆを入れてよく揉み、30分以上置いてから中身を取り出しました。

それから袋に水と洗剤を入れ、ジッパーを閉めてから袋を振って洗い、水で3回すすぎました。

丁寧に洗ったように見えましたが2日後、袋を検査したところ食中毒の原因菌として知られる「サルモネラ」が検出されました。

実験では、袋をしっかり洗浄したようでもサルモネラが残っていましたので、「食べ物の二度使いはやめた方がいい」と警鐘されています。

東京都福祉保健局のサイトによると「サルモネラ属菌」は、卵(加工品を含む)、牛肉のレバ刺し、食肉調理品(特に鶏肉)、うなぎやスッポンが汚染の原因となりやすいとあります。

感染すると腹痛や下痢、おう吐、発熱の症状が見られます。
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●加熱しても冷凍しても死滅しない菌がいる

では、生肉でなければどうだろう。加熱しても毒素が消えない菌があるため、調理した食べ物を1度袋に入れたら、別の食品保存のための再利用はやめましょう。

野菜も、絶対に安全とは言えません。東京都福祉保健局は、「その衛生状態によっては、食中毒の原因となることもあります」と注意喚起している。

都が2009年7月~11年10月、大田市場内に流通する生で食べられる野菜237検体を調べたところ、全体の11%にあたる27検体から食中毒起因菌が検出されました。

感染するとおう吐や下痢を引き起こす「セレウス菌」が最も多く、大腸菌や黄色ブドウ球菌も見つかっています。

こうした菌は、野菜の「水洗いで減らすことができる」といわれますが、完全駆除は難しいようです。野菜を保存したジッパー付ポリ袋でも、二度使いはリスクを伴います。

さらに、サルモネラをはじめとする食中毒起因菌は、冷凍しても死滅しません。

冷凍肉の保存に袋を用い、肉を調理しようと解凍した際に「冬眠状態」だった菌が目覚めて袋に付着する可能性も考えられますので、絶対に避けましょう。

厚生労働省が公表している「食中毒統計資料」で、2016年の月別発生状況を見ると、件数が最も多かったのは12月の115件、次いで3月の112件となるが、10月も97件と決して少なくありません。

冬だから安心ではなく、夏でも冬でも、1度使ったジッパー付ポリ袋、「捨てるのはもったいない」と思っても、洗ってまた食べ物を保存するのは避けましょう。
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食中毒の原因となるまな板

「まな板」の殺菌方法も問題があります。

食中毒の原因にもなりかねません。まな板の殺菌といえば“熱湯をかける”というイメージがありますが、実はそれだけでは不十分なのです。かけるだけでは菌は死なないのです。

まな板の消毒方法
まな板の掃除の基本的な手順

①汚れを落とす
まな板は使っているうちに、包丁による傷がいっぱいついてきます。

そのキズの中に食材の汚れが付着しやすく、さっと洗っただけでは落とし切れません。

キズに染み込んだ食材の汚れに菌が付着し、猛烈な勢いで繁殖します。

特に魚やお肉のたんぱく質は食中毒の原因菌が大好物なので、しっかり汚れを落としましょう。

出来れば木製のまな板はタワシで、樹脂のまな板はスポンジなどでゴシゴシと念入りに洗ってください。

洗う時に塩、重曹、除菌効果の高い洗剤などを使うとなお良いでしょう。

②すすぐ
すすぎは流水でしっかりと洗い流してください。特に洗剤を使った場合は洗剤分が残らない様に念入りに流しましょう。

洗剤を使う時は、決して原液をそのまままな板にかけないでください。必ず薄めて使ってください。

原液をそのまま使うと充分に洗剤が落ちない場合があります。

③除菌(殺菌・消毒)する
魚やお肉を切った場合には、①、②の手順の後に、まな板に熱湯をかけまわして、殺菌消毒をします。そうすることで、まな板も乾きやすくなります。

肉や魚を切った直後のまな板に直接熱湯を掛けないようにしましょう。

熱湯でたんぱく質が固まって、キズの中に入り込み、汚れが落ちにくくなるので、必ず、汚れを水で洗い流してからにして下さい。

④乾燥させる
すすいだ後は、水気をしっかり拭き取るなどして、充分に乾燥してください。まな板の手順の中で、最も重要な項目です。菌やカビは乾燥に弱いのです。

⑤保管する
風通しがよく、乾燥している場所に保管しましょう。

まな板には食材の色やカビが付きやすいので、時には塩素系台所漂白剤などを使用してもいいですよ。

まな板にまんべんなく、液を掛け、その上にキッチンペーパーやラップを張り付けて、5分から10分程度放置してみましょう。それから充分にすすいでください。

まな板が見違えるほどキレイになります。木製の場合はあまり適していません。

その場合には酢やアルコール濃度の高いお酒(25度以上)のスプレーをかけ、その後日光に当てる方法も有効だそうです。

シンクの下はジメジメしていてカビなどが発生しやすいところですので、保管するなら充分に乾燥したまな板にして下さい。
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腸内環境を強化しよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。

食中毒にかかるのも、おなかの中の免疫力が弱っているためです。

胃腸が元気であればたとえ有害菌が体内に入ってきても、増殖を抑え速やかに排出します。

特に腸内環境を整えておくと、様々な病気の予防になります。

生活習慣病の9割は腸が原因だと言われているからです。

まずは腸内環境を強化しましょう。

腸内環境を強化するサプリメントがありますので上手に利用しましょう。