下痢は海苔の食べ過ぎから

下痢は海苔の食べ過ぎから

海苔は日本人が大好きな食品です。その海苔が下痢の原因となる事があります。これから恵方巻、お弁当、遠足など、海苔巻きを食べる機会が増えてきます。

不思議と思われる方が多いと思いますが、低カロリーで、様々な料理として活躍する海苔ですが、気づかぬうちに下痢の原因になっていることもあります。

海苔の利用は幅広い

あの薄っぺらい海苔は、どれだけ食べても平気だと思ってしまいますが、本当に下痢になるのでしょうか?どんな食べ物だって食べ過ぎれば下痢になる可能性は十分にあります。

それはお腹いっぱいになり過ぎてお腹を壊すという話ではなく、摂り過ぎると過剰摂取となり、健康に害を及ぼすことがあるからです。海苔は名前や形状を変化させて様々なシーンで使われています。

例えば海苔の使用を挙げてみると
*おにぎりや巻き寿司、手巻き寿司
*焼きそばやお好み焼き、たこ焼きなどにかける青海苔
*うどんや蕎麦にかける刻み海苔
*ごはんにかける海苔の佃煮
*味付け海苔


こうして改めて考えてみると、いろいろな料理に使っています。味付けのりをおやつ代わりに食べる人もいるようです。ですから気が付かない内に、海苔の食べ過ぎになっていても不思議ではないのではないでしょうか。

もし、海苔が大好きで毎日食べているという方で下痢になっているとすれば下痢の原因は海苔かもしれません。特に小さなお子さんに甘い菓子よりいいだろうと思って、味付け海苔をおやつ代わりに食べさせているとしたらそれは危険です。

海苔の栄養素

まず海苔の栄養素から考えてみましょう。海苔には、40種類もの栄養素が含まれています。特に、タンパク質、食物せんいの他、ビタミン・ミネラルが豊富です。
ビタミンはA・B1・B2・C、ミネラルとしてカルシウム・マグネシウム鉄分・亜鉛・ヨウ素などが主な栄養素です。

①食物せんいがたっぷり
海苔の約3分の1は食物せんいでできています。食物せんいは、現代の食生活では不足しがちな栄養素なので、積極的に取り入れたいです。食物せんいには、腸内環境を整える効果や、コレステロールと血糖値の上昇を抑える効果があります。

②タンパク質もたっぷり
海苔は、なんとその重量の40%が、タンパク質でできています。タンパク質は、肌や髪、爪を健やかに保つ働きがあります。焼き海苔1枚のタンパク質の量は、牛乳100ml分の量と同じだそうですよ。ペラペラの海苔の栄養価は凄いです。

③ビタミンも豊富
海苔には10種類以上のビタミンが、含まれています。 特に多いのは、ビタミンA・B1・B2・Cです。ビタミンAは、感染症を予防する効果や皮膚を健康に保つ効果があります。

ビタミンB1、B2は、エネルギーの供給や老廃物の代謝をスムーズにする働きがあります。

また、ビタミンCは体の酸化を防いだり、ストレスに強い抵抗力をつける効果があります。ビタミンCは、熱に弱い水溶性の成分ですが、海苔のビタミンCは熱に強い特徴があります。ですから、焼き海苔や加工海苔でも摂取できます。

⑤豊富なミネラル
海苔のミネラルで目立つのは、カルシウム・マグネシウム・鉄・ヨードです。 ヨードは、海苔だけでなく、昆布やわかめなどの海藻類に多く含まれています。

人間にとって必須の栄養素で、不足すると甲状腺ホルモンが充分作られなくなります。ヨードが欠乏すると、甲状腺機能が低下して、発育障害・小人病・体のむくみなどの症状が表れます。一般的な日本人の場合、ヨード不足になるということは、あまり考えられないので、気にしなくてもよさそうですが、中には海藻類が嫌いだという人もいますので注意いしましょう。

食べ過ぎると嘔吐や下痢になる

海苔はビタミン・ミネラルも豊富で子供の発育促進にも良い食材です。海苔の食物せんいは、消化しやすく子供にも安心して食べさせられます。

でも、胃腸の未熟な子供にとっては負担になることもあります。おやつのように海苔を与え過ぎると、消化不良を起こすことがあります。大人は大丈夫でも、小さい子供は胃腸が未発達です。嘔吐や下痢を起こす場合もあるので、気をつけて下さい。子供が好きそうな味付け海苔には特に注意しましょう。


でも、普通におにぎりに巻いたり、ごはんのお供にする程度なら、全く問題ありません。

海苔は、美味しいだけでなく、栄養がたくさん含まれている健康食です。食べ過ぎの注意点はありますが、普通の食べ方では上限を超えることはまずありません。取り過ぎの心配は、そんなに気にしなくてよいと思います。ただ、中には「ばっか食」と言って、それを好んで食べる人がいますので、それだけは注意しましょう。

C型肝炎の方は注意
海苔には鉄分も豊富に含まれています。鉄分の摂取に制限が必要な人はC型慢性肝炎の患者の場合です。肝臓には鉄が貯蔵されており、鉄が不足した時のための倉庫の役割を持っています。

しかし、C型肝炎ウイルスに感染していると、肝臓の鉄貯蔵量を調節するしくみに異常が起こって鉄が過剰に蓄積してしまいます。鉄が過剰になると、鉄から生じるフリーラジカルが肝細胞膜傷害やDNA傷害を引き起こし、それが肝炎の進展、さらには肝がんの発生に影響を与えると考えられています。

最も海苔は一度にたくさん食べる物ではありませんが、鉄分の多い他のものと食べると、摂り過ぎになる可能性がありますので、上手に利用しましょう。

海苔が下痢となる理由
では、どうして海苔が原因で下痢になってしまうのでしょうか? その理由として挙げられているのが①水様性食物せんい、②添加物 ③消化酵素 ④ヨードアレルギーなどが下痢の原因となる事がります。

①水様性食物せんいが下痢を起こす

海苔で下痢をする場合、原因として考えられるのは、食物せんいが豊富なことが考えられます。海苔には「1日2枚で医者いらず」という言葉があり、なんと40種類もの栄養素が含まれています。その中でも特筆すべきは食物せんいです。

食物せんいには水に溶ける水溶性食物せんいと、水に溶けない不溶性食物せんいがあります。特に昆布やワカメなどの海藻類には水溶性食物せんいが多く含まれていて、海苔もその例に漏れません。海苔の約1/3は水溶性食物せんいです。

水溶性食物せんいには整腸作用があり、腸内の善玉菌を増やしてくれます。善玉菌が悪玉菌より優位になることによって腸の動きが活性化し、排便が促され便秘解消につながります。

適量を摂っている分には、問題ありませんが、摂り過ぎてしまうと腸の動きが活発になり過ぎてしまい、便秘解消どころか下痢を引き起こしてしまう要因になってしまいます。特に普段からおなかの弱い方は摂り過ぎに注意しましょう。

海苔の水溶性食物せんいには下剤ほどの強い効果がありませんし、ましてや海苔だけで過剰摂取になるほど食べることはほぼありません。ところが、私たちは日頃、穀類や野菜、果物やキノコに豆類といろんな食べ物から食物せんいを摂っています。

やはり海苔を食べ過ぎた分だけ、総合して過剰摂取になる可能性が高まります。海苔を食べる時には、他の食品に含まれている食物せんいの事も考えて、食べるようにしましょう。

ちなみに成人の食物せんいの摂取目標量というのがありますが、 男性で19g以上、女性17g以上となっているようです。
例えば、朝食に焼き海苔をご飯に乗せて食べるとしても海苔は数グラム程度でしょう。 苔は100gで食物せんいが約36gですから、例えば5gの焼き海苔では2gにもなりません。

それだけ少量の焼き海苔を食べたくらいでは普通であれば下痢をするレベルではありませんが、他にも野菜やせんいの多い食べ物を同時に摂ることはあります。
それで、下痢をしやすい人にとっては、海苔の食物せんいに過敏に反応して下痢になる可能性があるかもしれません。沢山海苔を食べた後に下痢をしていると感じたら、しっかりと確かめてみましょう。

②添加物で下痢になる

焼き海苔を多少食べたとしてもあまり心配はいらないのですが、味付け海苔を食べ過ぎると、表面に塗られている醤油や化学調味料、塩分などの摂りすぎになりますので、食べ過ぎには注意が必要です。

味付け海苔には様々な添加物が塗られています。塩分は板海苔の3倍、醤油や化学調味料を使っています。特に小さなお子様ほど味付け海苔を好む場合が多いのですが、小さなお子様ほど、味付け海苔の食べ過ぎには注意してあげて下さい。

巷には「添加物は食べても体に害はない!」とされていますが、添加物は確実に体内に蓄積していきます。できる事なら食べ過ぎないことが望ましいのです。海苔そのものではなく添加物が原因で下痢になることがあります。

例えば、あるメーカーの味付け海苔の原材料を見てみると、乾のり(日本産)、醤油(一部に大豆、小麦を含む)、砂糖、昆布、干しエビ、鰹節、味醂、食塩、蜂蜜、唐辛子 調味料(アミノ酸など)、甘味料(アセスルファムK)、この中で問題になるのは調味料(アミノ酸など)、甘味料(アセスルファムK)です。

●調味料(アミノ酸など)の化学物質が下痢を招く

調味料(アミノ酸など)は化学調味料のことです。味の素、ハイミー、ほんだし、だしの素などの名前で広く使われています。ラーメン、中華料理店などでは特に多く使用され、下痢や吐き気、めまい、頭痛、自暴自棄などといった症状が見られ、このような症状を「チャイニーズレストラン症候群」とも呼ばれています。

カップめん、即席スープ、かまぼこ、ソーセージ、だしの素、ポテトチップス、せんべい、その他あらゆる食べ物の表示を見ると小さな文字で「調味料(アミノ酸)」、「調味料(アミノ酸等)」と書かれています。

加工食品業者は化学調味料がなければいまや美味しいのもが作れなくなっています。味付け海苔も同じです。

●甘味料(アセスルファムK)が下痢を招く

アセスルファムk(カリウム)は合成甘味料のことです。人工甘味料は天然の素材から作られるのに対し、合成甘味料は化学物質を掛け合わせて人工的に「甘み」を作り出します。そのため危険性や副作用などがあるといわれています。アセスルファムk(カリウム)は加熱に強い甘味料(砂糖の約140~200倍)のため多くの食品に使用されています。

アセスルファムkは匂いの無い白色の粉末で水によく溶けるため飲料水にもよく使われています。加熱しても成分が失われにくいためあんこや生菓子、アイスクリーム、ガム、ジャム、タレ、漬物、リキュール、乳飲料、乳酸菌飲料などさまざまな食品に使用されています。


アセスルファムkはショ糖よりも甘いということで高カロリーに思われがちですが、実質はカロリーゼロです。これは合成甘味料の特徴ともいえるのですが、食物せんいのような感じで体が認識するので、体に蓄積されることはなく、基本的にほとんどが外に排出される仕組みになっています。

そのため、体内の免疫力が反応してアセスルファムkを異物と捉えて早く体外へ排出しようと水分をたくさん放出するために下痢になりやすいと考えられています。ただ、アセスルファムkを成分表示している飲料を摂ったから下痢になったと感じる人はいないようです。丸1日たてば、ほぼ100%排出されるという研究結果もあるほどですが、おなかの弱い人はで来るだけ添加物は避けましょう。

③消化酵素が無くて下痢になる

植物には細胞壁という非常に硬い外壁があります。これは、その場から動けない植物が外敵から守ったり、細胞の大きさを決めたりするために必要なものです。この細胞壁は海苔も持っています。

海苔の細胞壁はポリフィラン多糖という物質ですが、普通の消化液では消化できない特殊な多糖です。ポリフィラン多糖を消化する消化酵素が必要ですが、もともと人間の体内に備わっているものではありませんでした。

私たち日本人は飛鳥時代の頃から海苔を食べていたことから、自然とこの消化酵素を持つようになったのです。しかし、すべての日本人がこの消化酵素を持っているわけではありません。乳糖不耐症の様に消化酵素を持っていない人は下痢になる事があるのです。残念ながら、体質的に合わない人は合わないのです。

しかし、細胞壁は加熱すると壊れてしまうので、誰にでも消化できるようになります。ですから、生で海苔を食べなければ、消化酵素が無くても大丈夫です。安心してください。

焼き海苔は食べても平気なのに、生の海苔で下痢になるのであれば、その人はこの消化酵素を持っていない可能性が高いかもしれません。

疲労やストレスが溜まって胃腸が弱っている時など、生海苔は消化率が良くありませんので、たとえ消化酵素を持っていたとしても生海苔は避けましょう。海藻類は消化不良を起こしやすいので、胃や腸の手術をした後などには、海苔を含めた海藻類をすべてを控えるようにお医者様から指示されることが多いと言われています。

海苔の細胞壁を分解できる消化酵素を日本人は持っていますが、外国人は持っていない人が多いようです。牛乳が日本人の体質には合わず、下痢をしてしまう人が多いように、外国人で海苔が原因で下痢になってしまう人は多くいます。

④ヨードアレルギーで下痢にも

海藻類にはヨード(ヨウ素とも呼ばれる)というミネラルが豊富に含まれていて、もちろん海苔にも多く含まれています。ヨードは私たち人間にとって必要不可欠の栄養素であり、欠乏しても過剰摂取しても甲状腺機能を低下させてしまい、体のむくみを引き起こしたり、発育障害や小人症にかかったりする危険性があります。

日本人は島国ですので、よほどのことが無い限り、ヨードが欠乏してしまったり過剰摂取になったりすることはほとんど無いようです。ちなみに、18歳以上の1日のヨード摂取量目安は0.13mgであり、これは一般的な板海苔2枚分にあたります。

しかし、このヨードにはアレルギーも存在していますので、アレルギー反応として下痢を引き起こしてしまう可能性もあります。特に食べ過ぎているわけでもないのに、海藻類を口にするたびに下痢やその他体調に異常をきたしているのであれば、ヨードアレルギーを疑ってアレルギー科のある病院で診察を受けた方が良いでしょう。

特に味付け海苔は『子どもが好んで食べる傾向』にありますので、家に置いてある場合はこっそり食べていないかもチェックした方がいいでしょう。

まとめ

海苔ではなかなかお腹が満たされず、だからといってばくばく食べ過ぎるということもあまりないものですから、なかなか下痢と結びつかなかったかもしれません。ですが、海苔が下痢を引き起こしてしまうケースがありますので注意しましょう。

海苔が下痢になる原因まとめ
①水溶性食物せんいの過剰摂取
②添加物で体質に合わないものがある
③細胞壁を分解できる消化酵素を持っていない
④ヨードアレルギーのアレルギー反応

*その他として夏に多く消費される食品を対象に実施したところ、韓国海苔に大腸菌やセレウス菌が検出されたものがあったようです。物によっては質がよくないものもあるのかもしれません。気をつけましょう。

以上の点にさえ気を付けていれば、海苔は栄養素が豊富でいいことづくめの食べ物です。低カロリーかつ、髪や肌にも良く、鉄不足まで補えるという点から、特に女性の強い味方となってくれそうです。

腸内環境をしっかり整えよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。腸はまさしく私たちの9割近くの病気を守っているのです。腸内環境が良好だと腸内活動が正常に働き、様々な身体の異常を回避し、下痢の改善も速くなります。

腸内環境を小さい時から良好にすることはとても大切です。腸内環境が整っていれば病気に負けない、下痢になってもすぐ回復するなど、良いことだらけです。腸内環境を強化するサプリメントがありますので上手に利用しましょう。