難消化性デキストリン

下痢の原因・難消化性デキストリン
健康志向の方がどんどんと増えている現代、コレステロールや中性脂肪を下げる効果があるとして注目されているのが「難消化性デキストリン」の入った食品です。

コンビニやスーパーで見かけます。しかし、この難消化性デキストリンは思わぬ副作用があります。

それは下痢の原因となったり、様々な症状を起こしかねません。ではどんな危険があるのかご一緒に見てみましょう。


目次
難消化性デキストリンとは  下痢を起こす副作用  デキストリンが入った食品  下痢にならない為の摂り方  腸内環境を強化しよう

難消化性デキストリンとは

難消化デキストリンは、トウモロコシからのデンプン質を培焼して、デンプンを消化する酵素「アミラーゼ」を使って加水分解させます。

その過程から、難消化性の成分だけを取り出して調製した食物せんい質が「難消化性デキストリン」製品となります。

粘りと甘味が低くて、水に溶かしてほぼ透明色。耐熱性・耐酸性にも優れているという性質を持っています。

実はこの「難消化性デキストリン」ですが、食物せんいの摂取が不足している現代人のために開発されました


特に、食の欧米化によってもたらされた私たち日本人の食生活をサポートする目的で開発されたのです。

そしてミネラルの吸収を阻害しないという特性もあって、身の回りの多くの加工食品にも応用されていくようになりました。

難消化性デキストリンは 簡単に言えば「消化されにくい糖質」です。

実はデキストリンはオリゴ糖とほとんど同じなかまですが、オリゴ糖と難消化性デキストリンはどう違うのかというと、その構造に若干の違いがあります。
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難消化性デキストリンの効果

●整腸作用
難消化性はオリゴ糖や食物せんいと同様に、摂取すると小腸では吸収されずに大腸に届けられ、善玉菌を増やし腸内環境を整えてくれます。

すると大腸に潜むビフィズス菌のエサとなって短鎖脂肪酸を生み出します。

●食後血糖値の急上昇を防ぐ
難消化性デキストリンは、糖質摂取によるインスリンの分泌をおだやかにしてくれる働きがあります。

血糖値が急上昇しないということは、インスリンの分泌量を抑えることができるのでダイエットにつながることは期待できます。

●食後の中性脂肪値の上昇を防ぐ
難消化性デキストリンを食事と一緒に摂取すると、食事に含まれる脂肪の吸収は遅延し、食後の血中中性脂肪の上昇は緩やかになるという実験結果が出ています。
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下痢を起こす難消化性デキストリン副作用

現在のところ難消化性デキストリン製品に大きな危険性は報告されておらず、一日の許容摂取量も定められていません。

日本の消費者庁や米国食品医薬品局にも認められ、安全性の高い機能性食品素材ですが、副作用として以下の症状が見られます。摂り過ぎには注意しましょう。

①下痢になる、お腹がゆるむ
消化できないものを大量に取るとそれが大腸に溜まって濃度の濃い水溶液を作り、その濃度を薄めようと水分を吸収します。これを浸透圧性の下痢と言います。

浸透圧性の下痢は難消化性デキストリンに限らず「消化されないもの」であれば全て引き起こされます。食物せんい、オリゴ糖、あとはキシリトール配合のガムなどがあります。

浸透圧性下痢は、例えば一般的に牛乳を飲むと下痢になると言う人がいますね。この現象が浸透圧性下痢なのです。

ラクターゼという酵素は、正常なら小腸に存在する酵素ですが、乳糖をブドウ糖とガラクトースに分解して血液中に吸収できるようにする役割を持っています。

しかし、この酵素を生まれつき持ってない人(先天性乳糖不耐症の人)、あるいは持っていても少ない人が牛乳を飲んだり乳製品を食べたりすると乳糖が消化されず、乳糖が小腸に蓄積され浸透圧性下痢を起こすのです。

ミルクが主食の乳児期には乳糖分解酵素は十分に作られますが、成長するにしたがって特別な病気がなくても、次第に乳糖分解酵素活性が低下します。日本人は大人の約40%は乳糖分解酵素活性が低いといわれています。

また、一部の果物や豆類、そしてダイエット食品やキャンデーなどで糖の代わりに使われているソルビトール、マンニトール オリゴ糖などの糖類なども浸透圧性下痢を起こします。

浸透圧性下痢の場合は、下痢を起こす物質を食べたり飲んだりするのを止めるだけで、下痢はすぐに治まります。

ですから軟便を改善するために摂っているつもりが、益々便が緩くなり下痢になることがあります。

難消化デキストリンは腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えるため便秘に効果がありますが、大量に難消化デキストリンを摂り過ぎると、逆にお腹がゆるくなったり、下痢になるのです。

もともとお腹の弱い方は摂り過ぎないように注意してください。

②めまい、昏睡(こんすい状態)
難消化性デキストリンは血糖値を下降させる働きがありますので、インスリンや血糖降下薬などと併用して難消化性デキストリンを摂取していると、血糖値の上昇が予想より低くなり、めまいや昏睡状態になる可能性がありますので併用には気をつけてください。

③おならが頻繁にでる
難消化性デキストリンによって腸内でガスが発生しやすくなります。

そのため腹部膨満感を覚え、人によってはおならが止まらなくなることもあるようです。

おならは腸内に残っている便の腐敗ガスによって引き起こされるものなので、難消化性デキストリンの摂取によって細菌が作用し、腐敗ガスが作られやすくなり、おならが止まらなくなってしまうことがあります。

④便秘になる
難消化性デキストリンは食物せんいなので便秘改善効果がありますが、摂り過ぎは逆効果を産む可能性があります。

難消化性デキストリンに含まれる食物せんいは腸内の水分を吸い込むため、水分が少ないと便のすべりが悪くなって体の外に排出されづらくなります。

なので、難消化性デキストリンを大量に摂取すると便秘が引き起こされる可能性もあります。
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難消化性デキストリン成分がはいった食品

難消化性デキストリンは安全性が高く、腸内環境の改善にとてもいい効果をもつ物質です。

難消化性デキストリンはトクホの商品の機能性成分として、現在販売しているトクホ商品全体の3割に入っています。

トクホ認定というのはかなり厳正な手続きの元に審査が行われていますが、その効果を全く信頼するのではなく、ご自分で調べてみましょう。しかし、どんな良い物でも摂り過ぎには注意しましょう。

食事からでも食物せんいは摂っていることを意識しましょう。以下は難消化性デキストリン成分が入った食品です。

体すこやか茶、十六茶、メッツコーラ、オニオンコンソメ、日田天然領水食物繊維入りのお茶、マンナンライフの葡萄畑、デキシー レーズンクリーム スプレッド、

世田谷食品乳酸菌が入った青汁、きれい美味しいスッキリ茶、大塚製薬 ソイジョイ クリスピー ミックスベリー味、極上紅茶 デトシア・ハニーレモンティーなど・・・・。
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下痢にならないための難消化性デキストリンの摂り方

①適切な摂取量を守る
難消化性デキストリンは通常の便秘解消の薬とは違って、効果が出るのが緩やかです。効きが緩やかなため、「効いていないのかも?」と思って大量摂取してしまう方もおられますので、飲み過ぎには注意しましょう。

日本人の食事摂取基準(2010年版)では、食物せんいの必要摂取量は、18歳以上の男性で「1日19g以上」、女性は「1日17g以上」が推奨されています。

食物せんいは普段の食事でも摂っています、難消化性デキストリンだけで食物せんいを補おうとしてはいけません。あくまでも不足分を補うつもりで摂りましょう。

②難消化性デキストリンは必ず食事と一緒に摂る
難消化性デキストリンが糖と脂肪の吸収を穏やかにする水溶性食物せんいなので、糖や脂肪を含んだ食事と一緒に摂ると効果があります。

難消化性デキストリンは、血糖値の上昇を緩やかにしする効果があるだけで完全に脂肪と糖質の吸収をブロックするわけではありません。
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腸内環境を強化しよう

「元気物とは胃腸から」と昔から言われています。

生活習慣病の9割は腸内環境の悪化が原因です。下痢にならないなど、病気を寄せ付けない身体になるためにはまずは腸内環境を改善しましょう。

腸内環境を改善するサプリメントがありますので、上手に利用しましょう