下痢の原因・O121による食中毒

下痢の原因・O121による食中毒

下痢の原因は様々ですが、最近は外食による下痢の原因が多々見られます。過日、あるモスバーガー店で「食中毒(O121)、生野菜が原因?家庭も注意を」と新聞に報道されました。安心して楽しんで食べられるはずのお店でなぜ、下痢になる食中毒が発生するのでしょうか。食中毒予防のためにどんなことを気をつければよいのでしょうか。
ご一緒に考えてみましょう。

下痢や嘔吐を引き起こす食中毒の原因

①生野菜についていたO121(腸管出血性大腸菌)

ハンバーガーチェーン「モスバーガー」を2018年8月に利用した客28人が、腸管出血性大腸菌「O121」による食中毒を発症しました。原因食材は判明していないのですが、野菜の汚染が原因の可能性があるようです。

日常的にサラダなどで生野菜を食べる今、野菜のリスクを認識する人は多くありませんが、野菜による腸管出血性大腸菌による食中毒はこれまでもたびたび起きています。牛糞(ふん)で作られた堆肥の発酵が不十分で菌が残っていたり、牛の排泄(はいせつ)物が農場内に流れ込んだりすることで野菜は汚染され可能性があります。このことは最近の食用生野菜の調査でも、家畜の糞便由来と思われる菌による汚染が確認されていることからもわかります。
腸管出血性大腸菌による食中毒は、体の抵抗力が弱い子供や高齢者が感染すると重篤になるリスクが高くなります。

●野菜による食中毒の例

★平成24年に北海道で8人が死亡したO157の集団食中毒は浅漬けの白菜
★平成26年に静岡市内の花火大会で500人超が症状を訴えたO157の集団食中毒は冷やしキュウリと野菜 どちらも洗浄が不十分だった可能性が指摘されています。食中毒予防のため、給食施設などが順守することを求められる厚生労働省のマニュアルでは、野菜について「流水で水洗い」「必要に応じて、次亜塩素酸ナトリウムなどで殺菌した後、流水で十分すすぎ洗いする」などとしています。

これは家庭の食事でも同じように注意が必要です。生野菜は十分に流水で洗いましょう。
野菜を生で食べるときは必ず流水で洗うこと。市販のカット野菜も流水で洗うことをお勧めします。

②肉の加熱不足?

同菌による食中毒は、食肉の生食や加熱不十分なひき肉料理が原因となることが知られています。これまでに調査を終えた患者は全員がハンバーガーを食べていたといい、ハンバーガーのパティ(肉)が加熱不足だった可能性もあります。

ただ、同社はマニュアルで、「パティは鉄板で170度以上の温度で表裏表を各1分半、計4分半加熱する」としている。腸管出血性大腸菌は75度1分以上の加熱で死滅することから、マニュアルを守っていれば加熱不足はありえないだけに、同社は「マニュアル順守を徹底したい」といわれています。
家庭内でも、バーベキューパーティーなどでも、大勢集まる時には加熱が不十分な時がありますので、注意しましょう。

③患者からの二次感染、O121菌が付着

腸管出血性大腸菌は、主に牛など動物の腸管内にいる細菌。食中毒の原因となるのは「O157」が多いのですが、今回検出されたO121は僅かな菌(10個以下)でも同様に食中毒を引き起こします。うした僅かな菌数でも食中毒が発生する可能性があることは、店員からO121菌が食べ物に付着した可能性も否定できません。
溶血性尿毒症症候群や腎機能障害、下痢に激しい腹痛を伴います。発症者の6~7%に、溶血性尿毒症症候群や脳症などの重篤な合併症がみられるなど重篤な症状となった患者が報告されています。

腸管出血性大腸菌による食中毒は、多くの場合、原因となる食材を食べてから3~5日の潜伏期をおいて発症します。患者の便などから二次感染する恐れがありますので、患者の便に触れた場合は流水で十分に手洗いを行い、消毒用アルコールで消毒しましょう。

腸内環境を強化しよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。腸内は食べた物を消化吸収するだけでなく、有害なものを素早く排出したり、あるいは有害菌が増殖しないように働きます。其のお蔭で重篤な病気に移行しないですんだりします。健康はこうした腸内の働きで維持できるのです。腸内環境を整えてくことはこれからの病気予防、あるいは慢性的な下痢の改善の早道になります。腸内環境を整えるサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。

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