下痢の原因・上質な焼肉

下痢の原因は脂脂がのった肉?

年末や、お正月、記念日や何かを頑張ったご褒美に家族で焼肉に行く人も多いと思います。焼肉はスーパーの安い焼肉を食べても平気なのに、なぜか高級な焼き肉店で食べると下痢をする人が案外いるものです。

下痢の原因は高級な上質の焼肉

別に食中毒を起こしたわけでもないのになぜか、下痢になってしまう。せっかく美味しいい焼き肉を食べたのに残念といいようがありません。ではなぜ下痢になるのでしょうか。

焼き肉を食べて下痢を起こす2つの理由

下痢になるときには体内でどのような現象が起きているのでしょうか?
便の水分含有量は約60%が正常ですが、下痢便は水分含有量が増加することで、結果として排便回数が増加します。下痢便になるのは、腸のぜんどう運動亢進、または、腸の消化吸収機能の低下が原因です。

腸のぜんどう運動とは、腸の収縮運動により、便を体外に排出させようとする動きのことですが、便秘の人はぜんどう運動を活性化するように言われますが、これが通常より活発になると(亢進)、下痢になるのです。では、それが一体焼肉とどう関係するのでしょうか。

①脂肪分の摂りすぎ 

焼肉を食べた際に下痢になる一つめの原因は、脂肪分を多く摂りすぎたことです。
「脂肪は、他の栄養素に比べて消化に時間がかかります。過剰摂取することで分解されず、そのまま腸へ移動することになります。脂肪自体に腸管ぜんどう運動亢進作用がありますので、下痢を起こすことになります。

高級霜降り肉など、脂肪分が多いと、それだけで胃腸への負担が大きいものです。しかも、普段めったに食べられないからといって、野菜を摂らずにガツガツ肉だけ食べている人も多いのではないでしょうか? 「高い肉だと下痢になる」という人は、脂肪分の摂りすぎが原因なのかもしれません。

②アルコールの摂り過ぎ

飲酒によるアルコールも原因として考えられます。アルコールは腸管をただれさせ、つまり炎症を起こさせます。また、アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解されますが、その解毒のため、消化を助ける胆汁生成が追いつかなくなり、下痢を起こすことになります。

肝臓には、代謝、解毒、胆汁生成という主に3つの機能があります。アセトアルデヒドは二日酔いの原因物質といわれますが、肝臓の解毒作用により無毒化されます。ビールと焼肉は相性抜群のコンビですが、アルコールの大量摂取によって間接的に消化不良を引き起こし、下痢になってしまうようです。

これらの要因で、焼肉を食べて一時的に下痢になる人は心配ありませんが、常時下痢が慢性的に続いている人は何らかの病気を疑う必要があります。最近は、若者を中心に難病である潰瘍性大腸炎やクローン病も最近増加しています。下痢や腹痛が続く場合は一度専門医を受診しましょう。

焼き肉を食べて下痢になる人の対策として

では、下痢にならないためにはどのようなことに気を付けたら良いのでしょうか。

①下痢になる前に、脂肪分の少ない部位をチョイスする

焼肉では脂肪分の多い種類に偏らないようにしましょう。
脂肪分が少ないといわれるのは、ヒレなどの赤身肉。カルビなどは脂肪分が多い部位なので、食べ過ぎないようにしましょう。また、肉だけでなく、スープやサラダを一緒に食べるようにするといいでしょうまた、消化する際、胆汁に依存する割合の少ない豆腐や味噌などの植物性タンパク質、チーズなど乳製品をお勧めします。

②不溶性食物せんいに注意

食物繊維も効果的ですが、豆類やきのこ類など不溶性食物繊維が多く含まれている食品は注意してください。不溶性食物繊維は腸を刺激してしまうので注意が必要です。

③飲酒量はほどほどに

もちろん飲酒量を自分で調整することはいうまでもありません。お酒の飲み過ぎは肝臓に負担をかけます。
お酒を飲みすぎると、小腸の粘膜にある酵素の働きが弱まって、糖や脂肪、水分、ナトリウムなどが吸収されにくくなり、浸透圧性の下痢になることがあります。

さらに、小腸で消化、吸収されなかったものが大腸に流入し、排出物が増えます。そうすると、未消化・未吸収物を早く排出しようと、大腸の蠕動運動が活発になり、通過するスピードが速くなります。
その結果、水分の多い状態で便が排出され、お腹を下してしまいます。

年に数回しか食べる機会がない人も多いでしょうが、下痢になってしまったら美味しさも半減してしまいます。食事の習慣が健康を作りますので、口にするものや飲酒の量に気を配り、楽しいひとときを楽しみましょう。

腸内環境を強化しよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。腸内環境が整っていれば、腸内での消化はスムースにいきます。更に、腸内環境が整っていえば、腸内で行われる様々な活動が正常になります。

例えば主な働きは以下に見られます。
1消化:食べ物の最終消化と腸内細菌による分解が行なわれる。
2吸収:分解された栄養素や水分を吸収する。
3排泄:蠕動運動により不要な老廃物と毒素を便として排泄する。
4免疫:免疫細胞が集中していて常に外敵菌等から守っている。
5解毒:腸で行われるこの働きが、肝臓(体内また血中の毒素を処理する機能をもつ)の負担を減らす。
6酵素:消化酵素を作り、食べ物の分解を助ける。
7ビタミン:各種ビタミンを産生する。

このような腸の働きにおいて、もっとも重要なのが、腸内細菌です。そのため腸内に有益な細菌を育てる努力をすることは、健康な体に近づく取りくみをしていることになるのです。腸内の有益菌を育てるサプリメントがありますので上手に利用してみましょう。下痢の改善も一段と早くなります。