下痢の原因はニンニク成分

下痢の原因、特に慢性的な下痢の原因はこれと言った原因がなかなか見つからないのが特徴です。 下痢の原因・・・ニンニクの成分
身体に良いもの、健康的になる、あるいはスタミナが付く、精力的な食べ物だからとある特定の食べ物を好んで食べる人がいます。
それで健康的になる人はいいのですが、逆に慢性的な下痢になり、更に体を丈夫にしようと思って下痢の原因となっているとも知らずにどんどん食べる人もいます。まさに、悪循環となっています。 特に夏は下痢の原因になる傾向の食べ物が溢れています。例えばニンニクです。
暑い夏だからこそガツンとニンニクの効いた料理をあえて食べ、 スタミナをつけようと頻繁に食べる人がいます。 しかしニンニクは確かに身体にはいいのですが、食べ過ぎると副作用で下痢になる人がいますので要注意です。ここでニンニクの成分や食べ方について一緒に考えてみましょう。

ニンニクに含まれる成分の特徴

ニンニクを切る、すりおろす、潰すなどで、ニンニクに含まれる「アリイン」と、酵素「アリナーゼ」が反応すると、硫黄性化合物の「アリシン」が生成されます。 「アリシン」は分解されると硫黄化合物の「ジアリルジスルフィド」となり、「ジアリルジスルフィド」が酸化すると「アリシン」に戻ります。  「アリシン」からは、「ジアリルトリスルフィド」、「アホエン」などの硫黄化合物も発生し、「ジアリルジスルフィド」はアレルゲンになると考えられている物質で、「ジアリルトリスルフィド」は、抗がん作用が期待されています。 また、ニンニクは、ほかに以下効果も期待されています。 アリシンを加熱してできる「アホエン」には強い抗血栓作用やコレステロール抑制作用 動脈硬化を予防し血液をサラサラ 血行がよくなり肩こりや冷え症、神経痛などにも効果 大腸を刺激し便秘や下痢などを改善する整腸作用 胃の粘膜を刺激し胃液の分泌を促す 肝臓の細胞を活性化 ・脳神経を刺激し血圧の安定

ニンニクの副作用

ニンニクを食べ過ぎたり、接触する頻度が多い場合、以下のような副作用を起こす危険性があります。

胃腸障害
ニンニク(特に生ニンニク)を食べると胃腸障害が起きる可能性があります。これはニンニクの殺菌作用が胃腸内の悪玉菌だけでなく善玉菌も殺してしまうためです。この胃腸障害は腹痛をはじめ様々な症状の要因となります。
胃痛・腹痛
適量のニンニクは適度に胃の粘膜を刺激し消化を促進させますが、空腹時に生ニンニクを食べ過ぎると胃腸を刺激しすぎることとなり、胃痛や腹痛を起こすことがあります。酷い場合は胃壁を荒らすことがあるので注意しましょう。
下痢
ニンニクの匂い成分の素でもある「アリシン」には、強い抗菌・殺菌作用があり、コレラ菌、チフス菌、赤痢菌、院内感染の原因菌となることもあるMRSA、大腸菌0-157への抵抗性・殺菌性があると言われています。 アリシンのもつ、カビ、細菌、微生物への成長阻害性はとても有用なのですが、腸内の有益な細菌をも殺してしまうほどの強力な抗菌作用があります。そのため、人によっては胃、腸の荒れ、腹痛、下痢といった症状が誘発されることもあります。
ラーメンを食べたら、焼肉、キムチを食べたら胃痛がある、下痢をするといった方は、ニンニクが原因の可能性もあります。また、ニンニク入りの焼き肉のたれを食べただけでも下痢になる人もいます。
口角炎・舌炎・皮膚炎
私達の腸内にはビタミンを生産する働きがあります。これは腸内に存在するビタミン生産菌という細菌の働きによるものですが、ニンニクを食べ過ぎたり、長期間多くの量を食べるとこのビタミン生産菌も殺すこととなってしまい、ビタミン欠乏症が起きることがあります。 特にビタミンB2が不足しやすくなり、その結果、口角炎や舌炎、酷い場合は皮膚炎などの症状が現れます。 貧血
ニンニクには血液サラサラ効果がありますが、これもニンニクの食べ過ぎなどにより度を超えると溶血作用が強くなり、血中のヘモグロビンが減少することになります。そうなると貧血やめまいといった症状が起きることがあります。 アレルギー
ニンニクはアレルギー要因となることがあります。アレルゲンはアリシンが変化したジアリルジスルフィドで主な症状はアレルギー性皮膚炎です。ニンニクを扱う製造業に従事する人や調理師にみられるアレルギー症状です。
ニンニク摂取における禁忌・注意点
ニンニクは溶血作用があるので、血液凝固系の障害がある人は禁忌とされています。
その他、禁忌ではありませんが、抗血液凝固薬や、抗血小板薬でもあるアスピリンとの併用はその効能を強める恐れがあるので避けた方が良いです。 また、海外では“Blood-thinning”作用として紹介されるなど外科手術や出産前のニンニク摂取は出血を促進するため注意が必要であると警告されています。 その他、妊娠中、授乳中の過剰摂取は危険性が示唆されていますので避けるようにしましょう。
アリシン量の調理による変化、品種差
「アリシン」はビタミンB1と結びつくと「アリチアミン」という新しい物質に変化します。「アリチアミン」にもニンニクの香り、抗菌・殺菌作用がありますが、すりおろした生ニンニクよりは、低くなります。また、嘉定種などの暖地系品種の方がアリシン産生量がより高いとの報告もあります。  「アリシン」を多く含むのはニンニクですが、そのほかに、ねぎ、玉ねぎ、ニラなどのユリ科ネギ属の植物にも含まれています。 ニンニク摂取量対策として
「アリシン」は水溶性のため、カット、潰したニンニクを軽く水で洗うことでも「アリシン」量を減らすことはできますが、ニンニクの抗菌・殺菌作用を少なくすることにはなるものの、硫黄性化合物の生成量も減ることになり、効果も低くなります。 ニンニクを摂取して腹痛、下痢が起こる人は、空腹時の摂取は避け、どの程度の量で症状が出るかを確認しながら、家庭での摂取量を調整しましょう。 下痢の症状が重い方は本当に辛いです。何日も下痢が続き、 下痢が長引く場合は、他の病気やアレルギーの可能性もあります。一度、医師に相談してみましょう。

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