下痢からわかる病気②

下痢の原因・下痢からわかる病気②
下痢の原因は様々ですが、下痢からわかる病気を見つけることが出来ます。


一時的な下痢の場合は、排便をすることや食事を摂らないで様子をみるだけで治ってしまうことが多いのですが、 慢性的に下痢が続く場合は、なんらかの病気が関係していることが多くあります。
下痢から考えられる病気について考えてみましょう。

下痢をしているが元気で、発熱がない慢性下痢

下痢から考えられる病気は、腹痛や発熱の有無、その他の症状でわかることもあります。 以下は一般的な症状に対する病気の可能性です。

下痢をしているのに元気、熱がなくて慢性的に下痢が続く場合は、①心因性の下痢、②過敏性腸症候群、③甲状腺機能亢進症、④乳糖不耐症などがあります。

しかし、正確な病気の診断は自己で行わずに、必ず専門医を受信して適切な治療を受けてください。


目次
・①心因性の下痢  ・②過敏性腸症候群による下痢  ・③甲状腺機能亢進症による下痢  ・④乳糖不耐症による下痢  ・腸内環境を強化しよう

①心因性の下痢

「胃腸は心の鏡」とも言われます。特に子供が下痢をする場合、一般にウイルスによる感染や食中毒、また、食物へのアレルギーなどの理由が考えられますが、特に原因となる疾患もないのに、子供が下痢をしてしまう、下痢が続くということもあります。

その場合、心因性の下痢であることが少なくありません。

心因性の下痢の症状としては、便がゆるくなり、場合によっては水っぽい便が1日に何度か出ます。

大抵は腹痛を伴います。食欲不振や吐き気、嘔吐を伴うこともあります。

心因性の下痢の場合は、大抵熱は伴いません。

心因性の下痢の症状がみられる原因は、その子供の気持ち、もちろん大人の場合もそうですが、心の問題が大きく関わっています。

俗にいう「お腹の弱い子」というのは、日常生活の何らかのストレスが下痢という症状となって現れてしまっているということが少なくありません。

そういう子供の多くは、保育園や幼稚園、学校に行く前になると急にお腹が痛くなって下痢をしてしまったりすることが多々あります。

保育園や幼稚園、学校に行くことがその子供にとって何らかのストレスになってしまっているために、下痢という形で現れてしまうのです。

また、運動会や発表会、テストなど何らかの大事なイベントがあるという時にも下痢をしてしまう子供も少なくありません。

そのイベント自体が嫌いという訳ではなくても、その緊張感からお腹がゆるくなってしまい、下痢をしてしまうのです。

☆心因性の下痢の治療法

心因性の下痢の場合は、特に大きな病気ではありませんから、そんなに深刻になる必要はありません。

しかし、外出先でも腹痛や下痢が頻繁に起きると、それがまたストレスになって下痢の原因となってしまいますから、できる範囲で対策を取りたいものです。

子供の下痢が心因性のものである場合、子供のストレスの原因を取り除いてあげるとかなり症状は改善されます。

子供の保育園や幼稚園、学校での様子をよく聞いてあげるようにしましょう。

何らかのストレスの要因となるものが分かれば、それを取り除くために何らかの対策を取ることもできますが、子供は親に話すだけで気持ちが楽になったりするものなので、話を聞いてあげるだけで下痢の症状が起きなくなることもあります。

もし、症状が重く下痢が続くようであれば、心療内科などを受けてみるのも1つの方法です。
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②過敏性腸症候群による下痢

下痢をしているが、元気、発熱もないでも慢性的な下痢を繰り返す。

しかも消化管に炎症やポリープ、腫瘍などが認められないにもかかわらず、腸が精神的ストレスなどの刺激に対して過敏に反応し、急におなかが痛くなって下痢をしたり、逆に便秘が続いたりというような便通異常を慢性的に繰り返す病気を「過敏性腸症候群」といいます。

男性は下痢型、女性は便秘方がおおいようです。

「胃腸は心の鏡」という言葉を聞いたことはありますか?

「心配事があると胃がキリキリと痛んだり、食欲がなくなったりする」

「緊張すると何度もトイレに駆け込んでしまう」

「通勤途中の電車の中や、会議やプレゼンの前または最中などに急に腹痛がしてトイレに駆け込んだことがある」

「旅行に出かけると決まって便秘になる」

など、いずれも多くの人が身に覚えのある事例ではないでしょうか。

ストレスの多い現代社会に起こる特有の現代病といわれています

20~40歳代の人に多く発症し、増加傾向にあります。

生命にかかわる病気ではないものの、深刻な場合には日常生活や仕事などに支障をきたすケースもあります。

☆過敏性腸症候群の症状

過敏性腸症候群の症状は、硬い便またはウサギの糞のようなコロコロした便が主で、排便の量が少なく排便後も残便感がある「便秘型」、

激しい腹痛を伴い軟便または水様便や粘液便が主の「下痢型」、便秘型と下痢型を交互に繰り返す「混合(交替)型」などのタイプに分類されます。

激しい腹痛を伴った下痢
の症状は、ほとんど目覚めているときに起こり、夜間寝ているときに起こることはまれです。

また、下痢型は男性に、便秘型は女性に多くみられます。

どのタイプにもみられる症状として、急な下腹部の痛み、不快感、おなかがゴロゴロ鳴る、腹部膨満感、おならが多い、吐き気、食欲不振などがあり、これらの症状は排便によって軽減する傾向があります。

さらに、めまい、頭痛、動悸、不安感、不眠などの症状がみられる場合があります。

☆背後に潰瘍性大腸炎や大腸がんが隠れている場合も

下痢や便秘はほとんどの人が一度ならず経験したことがあり、たいていは一時的な症状で治まるため軽くとらえられがちです。

しかし、なかには潰瘍性大腸炎のような炎症性疾患や、大腸がんのような悪性腫瘍などの病気が隠れている場合があります。

便通異常が長く続く場合は、必ず医療機関等で検便や大腸内視鏡などの検査を受け、病変の有無を確認することが大切です。

また、過敏性腸症候群では、便に血が混じる、体重が減少する、熱が続くなどの症状がみられることはありません。

このような症状がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

☆過敏性腸症候群の治療法

胃痛や下痢、便秘、食欲不振などの症状が現れたときは、腸が、言葉にできない“心の声”を代弁してくれているのかもしれません。

心に過剰な負担をかけてはいないか、無理をしすぎてはいないか、頑張りすぎてはいないか、“腸の言葉”に耳を傾け、じっくりと自分の体と会話してみてはいかがでしょうか。

自分の体としっかり向き合うことは、ひいては自分の心としっかり向き合うことにもなります。

脳と腸は直結していますので、心の健康を取り戻す為にまずは、腸内の改善をしてみましょう。腸内改善がスムーズに行われば幸せホルモンがたくさん作られますので、積極的な思考に変化できるようです。
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③甲状腺機能亢進症による下痢

発熱もなく、長期間下痢を繰り返す症状の中に、甲状腺機能亢進症というのがあります。

甲状腺ホルモンは体の新陳代謝を高めるホルモンです。

別名、バセドウ病ともいいます。

甲状腺ホルモン過剰の状態では新陳代謝が異常に高くなり、食べても食べてもやせてしまう、疲れやすい、よく眠れない、心臓がどきどきするなどの動悸、汗をかきやすい、下痢しやすい、(女性では)生理がなかなか来ない、手足の震え、倦怠感などといった症状があります。

下痢に加えてこうした症状があれば医療機関にかかりましょう。
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④乳糖不耐症による下痢

元気なのですが、長期間下痢が続くしかも発熱はない状態は乳糖不耐症による下痢かもしれません。

乳糖不耐症は、ラクターゼの活性が低い人が牛乳を飲むと小腸でラクターゼが十分に働かず、牛乳に含まれる乳糖が体内で分解できなくなることでおこります。

分解されずに大腸まで送られた乳糖によって発生した炭酸ガスや脂肪酸が腸を刺激することで、胃痙攣(いけいれん)や下痢などの症状をおこします。

乳製品を子供の頃から摂取してきた人を除き、大抵の大人の腸内ではラクターゼの分泌が少ないことが多いようです。ただし乳糖不耐症でも、ラクターゼが全く存在しない場合もあれば、存在しても充分な量がないだけの場合もあるので、乳糖の許容量には個体差があります。

牛乳を飲めるようにする根本的な治療は難しいですが、乳製品の摂取を控えることで症状の発生を下げることができます。

またチーズやヨーグルトなどの発酵食品では症状がおこりにくいとされています。

☆乳糖不耐症による下痢の治療方法

症状が現れやすい人は、牛乳などの乳糖を含む乳製品の摂取を中止することで下痢や腹部症状は数時間から一日程度で治まります。

乳糖の一部が乳酸菌により分解されているチーズやヨーグルトなどは、乳糖不耐症の人でも下痢などの症状が起こりにくいとされています。
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腸内環境を強化しよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。

また生活習慣病の9割は腸内環境の悪化が原因とも言われています。

ストレスや他の要因で腸内環境が乱れると下痢になる、下痢が続くなどをはじめさまざまな病気になりやすくなります。

まずは腸内環境を改善してみましょう。腸内環境を改善するサプリメントがありますので上手に利用しましょう。

下痢の改善は一段と早くなります。