ハンバーグの焼き方で下痢

食中毒・ハンバーグの焼き方で下痢に
食中毒による下痢の原因は夏でも冬でも起きやすいものです。

現代では冬の暖房が行き届き、室内でも20℃以上は保たれている状態ですので、食中毒は起きやすくなっていると言っても過言ではありません。

食中毒は気を付けていても思わぬところで発生するものです。ではどんな時に起きるのでしょうか。


目次
・下痢の原因となる生焼ハンバーグ ・食中毒の実例① ・食中毒の実例② ・食中毒の実例③ ・問題点 ・生肉に付着する大腸菌 ・腸内環境を強化しよう

下痢の原因となる生焼きハンバーグ

下痢になる危険性が高い料理として“ハンバーグ”があります。え!と思われる方が多いでしょうがハンバーグの焼き方に問題があるのです。

ハンバーグに使うミンチ肉は表面積が広いため、菌が付着しやすくなっています。

さらにミンチ肉を丸めると、中に閉じ込められた菌は生き残ってしまう可能性が充分にあります。

生の食肉や加工食肉製品などには病原性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ菌などが付着している可能性が少なからずあります。

そのため生焼きであれば閉じ込められた菌は程よい温度で菌が増殖し、食中毒の原因となるのです。
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例:ある焼き肉店のハンバーグ

ある焼き肉店のハンバーグステーキでは、牛のひき肉の塊がレアに近い状態で客に提供されていました。

出されたハンバーグは厨房で多少加熱しているのでしょうが、ほとんど生の状態のひき肉でした。

お客様は、鉄板に載せられた専用の焼石でそのハンバーグを焼いて食べるというスタイルの様です。

こうした生焼きの形で牛肉を生で食べることは食中毒の危険性が高いのです。

老人や子供は免疫力が弱くまた何らかの理由で免疫力が低下した人達が食べると食中毒の発生に繋がる可能性が大いにあります。

食中毒の実際例①

2009年、焼き肉チェーン店のペッパーランチは、牛の成型肉を十分加熱せずに客に提供し、客も鉄板で十分加熱せずに食べて、30名以上の腸管出血性大腸菌(O157)による食中毒患者が発生しました。

今回の店のハンバーグは、牛のひき肉です。ひき肉は、究極の成型肉といえます。O157は、牛肉の表面に付着していることが多いものです。

ミンチされたひき肉は、表面に付着していたO157がどこに入ったかわからりません。

だからハンバーグは中まで十分に火を通さなければ食中毒の危険性が高くなるのです。

厚生労働省は、「結着・成型肉、ひき肉調理品等の病原微生物による汚染が内部に拡大するおそれがある肉については、中心部の色が変化するまで、十分に加熱をしてください」という指導をしています。
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食中毒の実際例②

過去には死亡事件も発生しています。食肉の生食で忘れてはいけないのは、2011年に「焼肉酒家えびす」で起きたユッケの食中毒です。2人の6歳の子どもを含む5人が亡くなっています。

2016年もゴールデンウィークに開催された肉フェスで、加熱不十分の鶏肉で食中毒が起きています。

食中毒の実際例③

平成31年2月に同一系列の焼き肉店を2月9日から2月12日にかけて利用した人に、腸管出血性大腸菌O157食中毒が発生しました。

下痢、嘔吐等の症状が現れた者の14名の便から、腸管出血性大腸菌O157が見つかり、このうち、3月11日までに判明した13名の便より分離された菌株の遺伝子型が全て一致していたそうです。

過去の教訓が生かされていない

日本人は過去のことを教訓とするのが、非常に苦手な民族のようです。なぜならどんなことが起きても「自分の家族に限ってそれは起きない」「すべては他人事で自分には降りかからない」と安易に考える傾向があるからです。

現在、生レバーは禁止され食べることができません。ユッケも条件付きの許可で値段が高くなり、庶民の口には入らなくなっています。

ところが、生ひき肉は行列ができる有名店でも堂々と提供され、テレビ番組ではグルメだと絶賛されています。

これでは、「生ひき肉ならいいのか」と勘違いする消費者や事業者が出てくる危険性がおおいにあります。

ひき肉の生焼きこそが危ないことがわからないのでしょうか。

食はマスコミ、特にテレビが取り上げることで信用度が高くなり、人気が出て多くの消費者が、何も疑わずに食べる機会が増えていきます。

テレビに出ているお店だから信頼性が高い、衛生的にちゃんとしたものを提供しているなどと勝手に思い込む人もいます。
 
こうした食中毒の危険性を回避するために さらにハンバーグも、十分加熱しないで提供することを法律で禁止すべき時期にきているのではないでしょうか。
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下痢の原因となる生肉に付着する病原性大腸菌

病原性大腸菌はOー157、O―11などがあります。

病原性大腸炎は病原性大腸菌感染症と言われています。

O-157と聞くと鮮血下痢便が出るというイメージですが、実は全てがそうではないのです。大腸菌にも数種類あり、多数の大腸菌は無害なのです。

腸炎や下痢を起こす大腸菌を病原性大腸菌と呼んでいます。

●嘔吐、下痢、腹痛、発熱などを起こす腸管病原性大腸菌

●血便を引き起こす組織侵入性大腸菌

●嘔吐下痢症のような水下痢を起こす毒素原性大腸菌

●腸管内に出血をおこす腸管出血性大腸菌
などがあります。
O-157は腸管出血性大腸菌です。O-157だけでなく、O-111やO-165などいろいろな種類があります。

他の大腸菌とどこが違うかというと、ベロ毒素という強烈な毒素を出すということだそうです。

この毒素を出すことで大腸の壁が破れて鮮血便が出ます。

ベロ毒素は大腸から全身を回って行ってしまい、腎不全を起こしたり、血管の中を毒素が回ってしまい貧血や血が止まりにくくなったりもします。

腎不全や貧血、血小板が少なくなることを溶血性尿毒症症候群と呼んでいるそうです。

そして、ベロ毒素が脳の血管に辿り着き、血管を傷つけるとけいれんや意識障害、脳症を引き起こして最悪の場合、死に至ってしまうということになるのです。

O-157は怖いというイメージは誰もが持っていると思いますが、O-157に感染した全ての人が必ずしもこの恐ろしい症状を発症するわけではありません。

全く症状が出なかったり、軽い下痢や腹痛程度で完治する方もいらっしゃいます。

腸管出血性大腸菌による食中毒の例は、食肉を生や加熱不足で食べて感染する場合が多いと言われています。

海外では肉類だけでなく、生野菜でも感染した例もあります。また、家畜の糞や、感染した人から人へ感染します。

食中毒と言うと、ジメジメした季節に流行るというイメージですが、O-157は感染力が普通の食中毒よりも強いため、気温の低い秋や冬でも発生します。

全ての人が重症化するわけではありませんので、少しでも下痢で不安を抱えていらっしゃるのであれば、病院で検査を受けましょう。

腸管出血性大腸菌は周りの人にも移ってしまうと大変なことになりますし、下痢を悪化させないためでもあります。
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●治療
下痢や腹痛、脱水に対しては水分補給、補液(点滴)等を行います。下痢だからといって下痢止めは使用しないでください。

下痢の回数などが酷い場合はすぐに病院へかかりましょう。

抗菌薬は時に症状を悪化させることもありますので、使用するかどうかについて慎重に判断されることとされています。 予防ワクチンは開発されていません。

●予防
経口感染や接触感染により感染するため、肉類は十分に加熱すること、肉類を調理した調理器具で生食の食品を扱わないこと、手洗いを徹底すること等が大切です。

腸管出血性大腸菌は加熱により死滅します。したがって、腸管出血性大腸菌の食中毒を予防するためには、生肉を使った肉料理を避けることや、肉の中心部まで十分に加熱することが重要です。

飲食店などで食べるときには、生肉や肉を生焼けで食べる料理がメニューにあっても、なるべく避けたほうが安全です。

また、焼肉やバーベキュー等、自分で肉を焼きながら食べる場合も、十分加熱し、生焼けのまま食べないようにしましょう。

特に、若齢者、高齢者、抵抗力が弱い方は、重症化することがありますので、生肉や加熱不十分な肉料理を食べないようにしてください。

焼き上がったハンバーグの中央にお箸を刺して透明な肉汁が出れば安全に焼けた目安なので、ぜひ参考にしてください。
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腸内環境を整えましょう

同じ物を食べても病気が発生する人、あるいは軽くて済む人、全く症状が出ない人などがいます。この差は一体何でしょうか。

ズバリ、それは腸内環境の良し悪しが関係しています。

腸内で有害なものが入ってくると、腸内善玉菌が有害菌を増殖しない様に阻止します。

それによって発病するかしないかが決まります。

それは、腸内での免疫力が充分に備わっているからです。腸内環境が良いと腸内の免疫力が充分に発揮できます。体全体の免疫力の60~70%は腸壁に存在します。

食べ過ぎ、飲み過ぎなどによる下痢も腸内環境を整えてやると下痢はおさまります。
腸内環境を良くするサプリメントがありますので上手に利用しましょう。