ギンナンの食べ過ぎで下痢

ギンナン(銀杏)の実を食べ過ぎで下痢になる

秋も深まり、街のいたるところには黄色く色づいた銀杏並木が見られます。この季節には様々な秋の味覚を楽しむ人は多いものですが、ギンナンもその一つです。

秋の味覚の代表的なものとして知られるキノコにも毒キノコによる中毒が発生することはご存じだと思いますが、キノコ以外にも秋の味覚には注意が必要です。

キノコ以外にも注意が必要なのは実は、ギンナンです。日本中毒情報センターには10月から11月にギンナンに関するギンナンによる相談件数が増加するようです。

ギンナン(銀杏)の毒性ギンコトキシン

秋になると、イチョウ並木が色づき、それは大変風情があるものです。イチョウは中国原産の落葉樹で、夏から秋にかけて果実が黄色く熟します。

この果実には特有の悪臭があり、触れると外果皮に含まれるビロボールが原因でアレルギー性皮膚炎を起こすことがあります。この外果皮を取り除き、かたい殻の中にある淡い黄色の部分をギンナンとして食用とします。

一般的にギンナンはそんなイチョウの実の部分で、炒って塩をかけて食べると最高に美味しいのです。しかし、食べすぎるとギンナンに含まれる通称「ギンコトキシン」と呼ばれる毒性成分が悪さをします。

ギンコトキシンはビタミンB6(ピリドキシン)に似た、4′-O-メチルピリドキシンという物質です。
構造的にとてもよく似ており、ビタミンB6の生合成、代謝、機能を妨げるため、抗ビタミンB6化合物と見なされています。

ビタミンB6は主にアミノ酸の代謝やブドウ糖の産生、脂質代謝に関わる補酵素です。
特に、グルタミン酸(アミノ酸の一種で主要な興奮性神経伝達物質)から、抑制性神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸(GABA)を産生する際に補酵素として働く重要な物質です。

体内で抑制系の神経伝達物質として働くGABAですが、普段私たちが摂っている食品の中にも含まれています。トマトやジャガイモ、カボチャなどに多く含まれています。

チョコレートには元々このGABAが含まれているのですが、ストレスの多い社会にあってちょっと一息ついて甘いものを口にしたい時があります。
それでGABAの含有量を増やしたGABA入りチョコレートなどがあるようです。

ギャバ(GABA)は興奮や神経の高ぶりを抑えて、緊張した心と体をリラックスさせてくれる効果が確認されていますので、ギャバを摂取するとストレスを軽くしてくれます。

さらにリラックスした状態にしてくれる副交感神経の働きを活発にしてくれるとも言われています。

ギンナンにはこうした抑制性神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸(GABA)を産生する際に補酵素として働く重要なビタミンB6の働きを妨げてしまいますので、摂り過ぎには注意が必要となります。
しかしギンナンには様々な健康効果があることもわかっています。

ギンナンの栄養・美容・健康効果

●美肌効果
銀杏の主な成分であるビタミンは、体の酸化を防ぐ抗酸化作用や、美肌作りをサポートするために必要不可欠な成分です。新陳代謝を促したり、新しい健康な皮膚を作り出すのに必要とされ、美肌作りをサポートしてくれます。

●高血圧対策
銀杏に含まれる成分カリウムには、細胞外液の浸透圧を調整し、利尿を促しナトリウムや老廃物を排泄することで、血圧の上昇を抑制する働きが期待できます。

●むくみ改善
またナトリウムには水分を引き寄せる効果もある為、むくみの原因にもなりますが、カリウム効果で、むくみがちな身体がすっきりする効果も期待できます。

●疲労回復
銀杏に含まれる成分ビタミンBは主にB1、B2、B6です。このうち、ビタミンB1には疲労回復、手足の抹消神経などの神経機能を正常に保つ作用もあります。

また炭水化物や脂質が多めなので、いざという時のエネルギーチャージとしても活用が可能。更にビタミンEには血行促進効果もある為、疲労回復と栄養補給がスムーズになり、漢方ではスタミナをつける食品として用いられています。

通常食用として親しまれていますが、一度に多く食べると、下痢をはじめ様々な症状が現れる場合があります。

ギンナンはビタミンB6の阻害する成分を含みます。ビタミンB6は、脳内の神経伝達物質の生成に重要な役割を担っていますので、食べ過ぎると、数時間のうちにビタミンB6欠乏症となり、中毒になると考えられています。

特にダイエットしている人、偏食などで栄養不足になっている人は食べ過ぎない様に注意して下さい。重篤な症状になる場合があります。

下痢になるギンナンの食べ過ぎ

ギンナン中毒では、ギンナンを大量に摂取することでさまざまな症状が出現する可能性があります。
ギンナンを摂取してから1時間から半日ほど経過したあと、吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状が現れます。

手足の震えやめまい、ふらつきなどの神経学的症状がみられることもあります。また、ギンナン中毒ではけいれんを何度も繰り返すことがあります。

そのほか、ギンナン中毒では顔色が悪くなったり息苦しくなったりすることや、発熱をきたしたり不整脈が出現したりすることもあります。

ギンナン中毒の症状は、多くの場合は24時間以内に消失するとされています。しかし、ギンナンの摂取量や基礎となる栄養状態などによっては、命にかかわることもあるため注意が必要です。

その他ギンナン中毒では臓器障害を起こすことがあります。
これらを確認することや、他の原因を鑑別する目的で、血液検査や尿検査、心電図検査なども検討されます。

ギンナンは節度を守って食べましょう

ギンコトキシンがビタミンB6の働きを阻害すると、GABAが産生されないという事態に陥ります。
GABAは脳神経の興奮を抑制させる物質ですから、それがなくなった結果、異常興奮して痙攣を起こします。
痙攣発作は特に小児で起こりやすく、6~7個を食べて痙攣を起こした例もあるようです。

子供には食べさせない方が良いかも知れません。成人でも1kgのギンナンを消費したところ痙攣発作が起こったという報告があります。
一般的なギンナンは殻付きで3g、可食部2g程度ですから、数百個食べてしまったことになります。
そこまで行かなくても、70-80個のギンナンで痙攣発作を起こした例も報告されています。

ギンナンは美味しいですから枝豆感覚で食べる人がいますが、それはとても危険です。

もともと栄養状態が悪い人がギンナンを食べるとビタミンB6の働きはさらに低下します。
普段からきちんと食事をしていなかったり、アルコールを多飲されていたりする方などでは、より注意が必要です。

ギンナンは火を入れてもダメ

ギンナンの毒性ギンコトキシンは、熱に安定的で、炒っても揚げても毒性は低下しないのです。中毒にならないためには大量消費しないことです。
ギンナンは身体にいいからと言ってたくさん食べないようにしましょう。特に子供達には食べさせない方がいいかもしれません。

茶わん蒸しの中に入っている数粒程度が望ましいようです。
何事も節度を持って。少量をおいしくいただきましょう。

ギンナン中毒の原因

ギンナン中毒は、イチョウの種子であるギンナンを大量に摂取することを原因として発症します。
どの程度のギンナンを摂取すると中毒症状が引き起されるかについては、年齢や栄養状態などによって異なります。

たとえば、成人よりも小児のほうがギンナン中毒を発症しやすいことが知られています。
また、栄養状態が悪い、長期間に渡るアルコールの大量摂取、偏食、抗生物質の長期内服などの状況があると、ギンナン中毒の発症リスクが高まります。

ギンナン中毒は、ギンナンに関連した物質である4′-O-メチルピリドキシンと呼ばれるものによって引き起こされると考えられています。

この物質は、体にとって必要な物質であるビタミンB6と構造的に類似しています。
そのため、両者が体に誤って認識・代謝されるためにギンナン中毒の特徴的な症状が出現すると考えられています。

ギンナン中毒の治療

ギンナン中毒の治療はビタミンB6の投与になります。
野菜や魚介類に多く含まれていますが、救急外来で食べさせるわけにもいかないので、ビタミンB6製剤を投与することになります。

ギンナン中毒では時間経過とともにけいれんを繰り返したり、下痢や嘔吐になったりします。
そのため、大量摂取からギンナン中毒の発症が懸念される状況では、症状がない場合であっても命に関わる可能性もあるため、早期に病院の受診を検討することが大切です。

腸内環境を整えよう

食事はしっかりと摂っているのにも関わらず、栄養の吸収が悪いと感じたことはありませんか?

栄養の吸収が悪ければ下痢などの排便の異常や、全身の倦怠感、お腹の膨満感(張ったような感覚)、貧血など、様々な症状が現れます。それに伴い栄養状態も悪くなります。

栄養の吸収が悪くなる原因はいくつか考えられますが、栄養は小腸で約90%吸収されます。
ですから腸内環境が悪いと、いくら良い食事を摂っても、消化吸収がうまくいかなくなりますので、栄養の吸収効率が悪くなるのは当然です。腸内環境を整えるのは非常に大切なことです。

腸による栄養吸収が上手くいかなければ、具体的には以下のような症状が現れます。
下痢、お腹の張り、体重減少、疲労感、おならが増える、むくみ、貧血などです。

腸の吸収に問題がある場合、食べ物が消化されないまま便に混ざっていたり、便がネバネバしてしまうこともあります。これらの状態も、栄養の吸収がしっかり出来ていない合図だと考えられるかもしれません。

栄養吸収不良はすべての栄養素の欠乏症、タンパク質、脂肪、糖類、ビタミン、ミネラル類の選択的な欠乏症を引き起こします。
こうした栄養障害が現れると、ギンナンの実を食べた時に、ギンナン中毒にも簡単になってしまう恐れがあります。

食べた物の栄養吸収が悪くなる原因

栄養の吸収が悪くなる原因として、食べ物が適度に消化されないまま腸に送り込まれ、腸が吸収出来ないまま排泄している、ということも考えられます。

この事を踏まえると、以下の原因が考えられます。
①腸内細菌のバランスが悪い

②腸の働きの低下

③胃酸の過剰分泌

④消化に必要な酵素の異常

⑤消化液の不足

⑥生まれつき消化管の壁や長さに問題がある

⑦胃や腸の病気

栄養の吸収を良くする、2つの習慣

原因が病気によるもので無いのであれば、消化と吸収の両面からのアプローチで、症状が改善される可能性があります。

①とにかく、良く噛むこと
良く噛む事は、簡単なようで意外と難しい事です。
良く噛む事で唾液が分泌され、消化を助けます。

唾液の中に含まれる、消化酵素のアミラーゼが糖質を分解し、体内に吸収されやすい状態にするのです。

ちょっと多いと感じるかもしれませんが、最低でも1口20回以上は噛みましょう。理想は50回とも言われていますが、マックス30回でも十分です。

②腸内環境を改善する食べ物を食べる
腸内環境を整えると、栄養の消化・吸収がうまくいきます。また腸内活動が正常に働き様々な病気に罹りにくい体を作ります。

そのためには腸内細菌のバランスを整えなければなりません。そのために腸内善玉菌を増やす食事を心掛けましょう。

腸内善玉菌を増やそう

腸内細菌の働きはたくさんありますが、消化・吸収に関しては、以下のような働きをしています。

●消化・吸収の補助

●ビタミン類の合成

●食物せんいを分解・発酵

また、腸内細菌はビタミンKを始め、多くのビタミン類を産生しますが、ビタミン類の多くは栄養の吸収を助けます。
ですから、腸内細菌のバランスを整えるということは、栄養の吸収を行う上で、とても重要な意味を持っています。

腸内善玉菌が増えると、腸内環境も整います。少々身体に害がある物を食べたとしても、例えばギンナンの実など、うまく処置し健康に害がないようになるのです。

食事で腸内環境を改善するのは難しい、腸内善玉菌がなかなか増えない、あるいは早急に改善されたい方はサプリメントがありますので上手に利用しましょう。
下痢改善その他の不調の改善が早まります。