太れない悩みは、なかなかその悩みを共感してもらえません。まわりから羨ましいと言われますが、本人にとっては切実な悩みになります。太れない理由はそれなりにあります。その理由をご一緒に考えてみましょう。
原因として多いのは、過敏性腸症候群、そのほかの原因として、クローン病や潰瘍性大腸炎といった疾患を含む炎症性腸疾患が挙げられます。これらの病気は、自分自身の免疫細胞が異常をきたす結果として、腸に対しての慢性炎症が生じる病気です。前回は過敏性腸症候群をとり上げましたので、今回はクローン病について考えてみましょう。
大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症、または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患といいます。クローン病はこの炎症性腸疾患のひとつです。
クローン病は主に若年者が多く発生します。口腔から肛門にいたるまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍(粘膜が欠損すること)が起こり、小腸と大腸が中心で、特に小腸末端部に多く発生するようです。非連続性の病変で、病変と病変の間に正常部分が存在します。
症状としては腹痛や下痢、血便、体重減少などが生じます。下痢になると、栄養の吸収率を著しく下げてしまい、約通常の3分の1くらいになります。太りたい人にとって最悪とも言える状態です。食べてもなかなか太れない原因のひとつとなります。
食べても太れない人は腸に炎症が起き、吸収機能が弱くなっているためにしっかり吸収できないことが原因なのです。では、下痢を改善するためにはどのようにすればよいのでしょうか。
クローン病の原因として次のような事が挙げられています。
①遺伝的な要因が関与
②結核菌類似の細菌や麻疹ウイルスによる感染症
③食事の中の何らかの成分が腸管粘膜に異常な反応をひきおす
④腸管の微小な血管の血流障害
などが挙げられていますが、いずれもはっきりと証明されていません。最近の研究では、なんらかの遺伝的な素因を背景として、食事や腸内細菌に対して腸に潜んでいるリンパ球などの免疫を担当する細胞が過剰に反応して病気の発症、増悪にいたると考えられています。
わが国のクローン病の方は1976年には128人でしたが、平成25年度には39,799人となり増加がみられています。それでも、人口10万人あたり27人程度、米国が200人程度ですので、欧米の約10分の1です。
これらの差は大いに食習慣の違いが関係しているようです。欧米食を好む10歳代~20歳代の若年者に発生する度合いが高いようです。発症年齢は男性で20~24歳、女性で15~19歳が最も多くみられます。男性と女性の比は、約2:1と男性に多くみられます。
世界的にみると、先進国に多く北米やヨーロッパで高い発症率を示します。衛生環境や食生活が大きく影響し、動物性脂肪、タンパク質を多く摂取し、生活水準が高いほどクローン病にかかりやすいと考えられています。喫煙をする人は喫煙をしない人より発病しやすいと言われています。
クローン病は遺伝病ではありません。しかし、人種や地域によって発症する頻度が異なり、また家系内発症もみとめられることから、遺伝的な因子の関与が考えられています。
クローン病を引き起こす可能性の高い遺伝子がいくつか報告されていますが、現在のところ、単一の遺伝子と関連して発症するのではなく、いくつかの遺伝子と環境因子などが複雑に絡み合って発症していると考えられています。
クローン病の症状は人によって様々です。炎症が発生する部分(小腸型、小腸・大腸型、大腸型)によっても異なります。その中でも特徴的な症状は腹痛と下痢で、半数以上の患者さんでみられます。
さらに発熱、下血、腹部腫瘤、体重減少、 全身倦怠感 、貧血などの症状もしばしば現れます。またクローン病は 瘻孔 、 狭窄 、 膿瘍 などの腸管の合併症や関節炎、虹彩炎、 結節 性紅斑、肛門部病変などの腸管外の合併症も多く、これらの症状があるか無いかで様々な症状が出てきます。
クローン病と診断されたら専門家による治療が必要です。
病気の活動性や症状が落ち着いていれば、通常の食事が可能ですが、食事による病態の悪化を避けることが最も重要なことです。一般的には低脂肪や腸の負担となる食物せんい、刺激物などを控える食事が好ましいです。
それぞれの症状は違いますので、主治医や栄養士と相談しながら自分にあった食品を見つけていくことが大事です。
*繊維の多い食品: キノコ類、海草、ごぼう、山採などの筋の多い野菜、生野菜をたくさん食べないこと
*揚げ物:脂を多く含む食品: 唐揚げ、フライ、トンカツ、フライドチキン等
*飲み物:コーヒー、濃い煎茶、カフェインを含むもの、炭酸飲料、アルコール、牛乳や乳製品は下痢になりやすい方は控える
*刺激物:わさび、洋辛子、唐辛子などの香辛料
*特に控えたいもの:喫煙とアルコール
最初は極力、低脂肪や腸の負担となる食物せんい、刺激物などを控える食事をし、少しずつ主食は普通食に近づけていくように心がけ、副食も様子を見ながら常食に変えて見ましょう。
出来れば食べたものを書き留めて、便の状態や体調を観察しながらメニューを変えて食事すると再発防止などに役立ちます。
*主食として
お粥(全粥)、雑炊、白米(柔らかめ)、うどんやそうめんは良く煮込む。鍋料理の後の残り汁でコトコト煮込んだ雑炊は栄養が煮詰まって美味しいです。
*副食として
主に白身魚、たら、カレイ、ほっけなどの煮付け、はんぺんのバター焼き、肉類は鶏肉を中心に。
野菜類は根菜を中心にこれも煮物にして味を薄めにだし汁で食べます。カボチャやなす、トマトは皮の部分は食べないようにしましょう。せんいの多い物などは避けましょう。
果物はパイナップルやバナナ、柿、梨はせんいが多いので食べても少量にしてりんご、イチゴ、みかんがいいようです。卵は半熟卵、卵豆腐、茶碗蒸しの具無し、オムレツ等の固ゆでしていないもの、豆腐、納豆は挽き割り納豆が良いです。
とにかく細かく砕いたり消化の良いものを選んだり、フードプロセッサーを利用して野菜スープなどにすると美味しくいただけます。何を食べたら良いのか考えるだけで家族にも負担かけるし、ストレスが溜まりますので様子を見ながら食べてみましょう。たばことお酒は絶対に避けてください。
クローン病になるとほとんどの方が、一生のうちに一度は、外科手術が必要になると言われてきました。しかし、近年の治療の進歩により、将来は、手術をする患者さんが減ってくる可能性があるようです。
多くの方は、症状が落ち着いていても、病気は進行すると言われています定期的な検査は必要なようです。
ですから、おなかの調子がよい時期でも食事には注意が必要です。動物性脂肪はおなかの炎症が悪化することを忘れないことが大切です。
炎症を抑えれば栄養吸収も良くなり、体重も増えていきます。
クローン病はまだ完全に解明されていない病気です。国の研究機関が中心となって、日々研究が続けられています。原因もまだはっきりわかっていません。そのため、クローン病の予防方法として確立されたものはまだありません。
しかし、クローン病はその発症にさまざまな因子が関わっているということがわかってきています。
①食生活の変化
クローン病は潰瘍性大腸炎と同じく、日本では珍しい病気でした。しかし、1990年ころから年々増加し、2014年末には患者さんの数は4万人を超えるほどになっています。クローン病の患者さんは潰瘍性大腸炎と同じく、今後も増加していくのではないかといわれています。
では、なぜクローン病の患者数がここまで増加してきているのでしょうか。その背景に、食生活の欧米化が挙げられています。クローン病を発症する要因の1つとして、食事のタンパク質や一部の脂肪に対し、腸管の免疫機能が過剰に反応するためと考えられています。
日本は本来、主食を米とし、タンパク質は肉より魚という生活でした。しかし、欧米の食文化が浸透したことで、現代の日本人は油や肉、糖分の摂取量が増加し、野菜の摂取量が減少しています。それが、クローン病の患者数増加につながっている可能性があるといわれています。
実際のところ、クローン病は日本よりも欧米に患者数が多いという特徴があります。
高カロリーな食事が続くのは腸に負担をかけるだけでなく、あらゆる病気の発症につながってしまいます。栄養バランスは偏りのないようにし、お酒の飲み過ぎにも注意しましょう。
今、太りたいと悩んでおられる方、高カロリーの食事を摂ると太るのではないかと思ってはいけません。かえって病気を招きます。
②腸内環境の変化
腸内環境は食生活に大きく関係しています。私たちの腸の中には、1,000種類に近い細菌が100兆個もいるといわれています。クローン病の方は、腸内細菌の様子が健康な人と異なり、腸内環境が悪化しています。
そのため、乳酸菌を含む食材や、乳酸菌をはじめ善玉菌のえさとなるオリゴ糖を食生活に取り入れて、腸内環境を改善しましょう。難しい方は腸内環境を改善するサプリメントを摂ることもお勧めします。
③過剰清潔の増加
生活環境の中においては様々な細菌がいます。人は、胎児の間はまだ体内に細菌を持っていませんが、生まれてすぐあらゆる細菌のある環境の中で生活するようになり、いろいろな細菌が人の体で共存するようになっていきます。生まれてから腸内細菌の数はだんだんと増えていきます。これが重要な鍵を握ります。
しかし、現代のように「除菌・殺菌」が行きすぎてしまうと、幼いうちに良い腸内環境が作れない、作りにくい体になってしまっています。
腸は人体で最大な免疫器官です。クローン病は最終的に異常な免疫反応が起こることで発症します。ですから、過剰に衛生環境を求める生活をしないということも大切なのです。
衛生環境が良くなりすぎることがクローン病の増加に関係しているのではないかも言われています。
③ストレスの多い生活
クローン病を発症する人は10代から30代前半の若い世代に多くみられます。この時期は学業や就職、仕事、そして結婚など、その人の人生において環境が大きく変わります。
ストレスには良いストレスと悪いストレスがありますが、生活していく中で悪いストレスにうまく対処できないと、心身共に負担がかかってしまいます。
ストレスの多い生活と、それによる心身の負担は、ゆくゆく免疫機能に影響を与えてしまう可能性があるのです。
腸内環境もストレスによって悪化します。
しかし、ストレスのない生活というのは非現実的ですから、普段から気分転換を図ったりリフレッシュできる自分なりの対処法を見つけておいたりすることが大切です。
腸は栄養を吸収して、体の各器官に血液を通して栄養を送ります。腸に炎症が起こるクローン病の予防方法はまだ確立されていません。しかし、クローン病の発症に関与しているとされる因子はいくつかわかってきています。
クローン病の予防方法として期待できるものは、食生活や腸内環境、衛生環境、そしてストレス対処への工夫です。普段から自分の体をよく知っておくことも大切です。
今回はクローン病をとり上げましたが、潰瘍性大腸炎も腸の炎症から起こります。潰瘍性大腸炎は、直腸から連続的に炎症が起こります。そのため、主に大腸だけに炎症が発生し、大腸の表面である粘膜に主に炎症が発生します。
それで自覚症状には、粘血便や下痢、発熱があります。クローン病よりも血便が多くなります。また、合併症としては、関節炎や膵炎などが挙げられます。
クローン病は口腔から肛門にいたるまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍(粘膜が欠損すること)が起こります。腸の壁全体が炎症を起こすため、腸に穴があくことがあります。
下痢になったかな、痩せ始めたかな、なかなか体重が戻らない等疑問に思ったら、まずは自分の生活環境を整えてみましょう。
特に腸内環境をしっかり整えることはとても大事です。腸は便を作るところですが、食べた物を消化・吸収するところでもあります。基本的な事柄を毎日の生活の中で整えるなら、適切な体重に戻ります。
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。胃腸が丈夫であれば病気を寄せ付けない身体になります。
実際、生活習慣病による9割は腸内環境が悪化することが原因だと言われています。となると、腸内環境を良好に保てば病気に負けない体になるということになります。
下痢も、太れない原因も全て腸内環境から始まっています。腸内環境を良好にしましょう。腸内環境を良好にするサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。
現在は何処へ行っても、何を食べても、何をやってもダイエット、ダイエットって言いますが、反対にもっと太りたい人も少なからずおられます。実は痩せたい、太りたいも原因の大本は同じです。腸内環境が悪くて適切な体重を維持できないのです。
太れない悩みは、まわりから羨ましいと言われますが、本人にとっては切実な悩みです。太れない最大の原因は下痢です。ではなぜ下痢になると太れないのでしょうか。その原因を探ってみましょう。
下痢といえば、おなかのトラブルのなかでもつらい症状のひとつです。下痢が続くと日常生活に差し支えたり、体力を消耗し、脱水症状や栄養失調を引き起こしたりすることもあります。
食べた物は胃腸で消化・吸収されますが、いくら食べても栄養の吸収ができなければ太ることはできません。その理由の一つに腸内の通過速度が速くて、水分も栄養も充分に吸収する時間がないのです。そのため水分の多い便となり、結果下痢という形で便が出てきます。
下痢になると、栄養の吸収率を著しく下げてしまい、約通常の3分の1くらいになります。太りたい人にとって最悪とも言える状態です。ですから、食べても太れない人は胃腸の機能が弱いためにしっかり吸収できていないことが原因なのです。
では、下痢を改善するためにはどのようにすればよいのでしょうか。
下痢の原因は様々ですが、やはり太れない人は慢性的な下痢に陥っている人が多いようです。一過性の下痢だと一時的には体重が減ることもありますが、治って、食欲が戻れば、体重はもとに戻ります。
しかし、慢性的な下痢をしている人は、栄養吸収も悪くなっていますので、根本的な下痢対策をしなければなりません。
慢性下痢とは、1日に3回以上、3週間以上、下痢が続く状態を指します。下痢の程度や原因はさまざまです。
慢性的な原因として多いのは、ストレスや生活習慣などによって発症する過敏性腸症候群が多いようです。また、そのほかの原因として、クローン病や潰瘍性大腸炎といった疾患を含む炎症性腸疾患が挙げられます。これらの病気は、自分自身の免疫細胞が異常をきたす結果として、腸に対しての慢性炎症が生じる病気です。
そのほか、感染症が原因となって発症することもあります。慢性下痢で問題になる病原体は、不衛生な環境での食物摂取、水分摂取などを原因として体内に取り込まれます。
また、内分泌疾患(甲状腺機能亢進症や糖尿病など)、アレルギー(グルテンやミルクなどに対して)、薬剤なども慢性下痢の原因として挙げることができます。
慢性下痢の原因は多岐に渡るため、効果的な治療につなげるためにはしっかりと原因を特定することが大切です。今回は過敏性腸症候群について考えてみましょう。
過敏性腸症候群は腸のぜん動運動に異常が起こることで便秘や下痢を繰り返したり、慢性的に下痢が続いてしまう病気です。長期間にわたって下痢が続いた後、一時的に治まる場合がありますが、その後また再発することもあります。
電車内や長時間の会議中、授業中など、トイレに行きづらい状況やトイレのない状況下に置かれると、急激な腹痛&便意を伴い、柔らかい便や水のような便が排泄されるのが下痢型です。突然の便意に恐怖を感じ、電車に乗ったり通勤通学ができなくなったりします。
また、突然便意をもよおすかも、という不安がさらに症状を悪化させてしまいます。下痢型は、便意が強いのに十分に排便できず、残便感が残ることも多いのが特徴です。
過敏性腸症候群は日本人の約10%~15%の人が罹っているようです。原因は特定されませんが、多くは精神的なストレスが引き金なようです。
症状としては3週間以上下痢が続きます。下痢の回数はさまざまですが、1日に3回以上の排便がみられます。また下痢が起こるタイミングもまちまちであり、過敏性腸症候群ではストレスがかかる状況、トイレに行きにくいような状況(たとえば長距離移動中の電車のなかなど)でみられる傾向があります。
下痢の性状として、水様性下痢が主体なこともある一方、下痢に血液が混じることもあります。下痢中に血液が混じるのは、炎症性腸疾患でみられることの多い症状です。
①体力が消耗するので太れない
慢性的な下痢が続くと、体力が消耗することから徐々に体重が減少することもあり、太れないようです。
②自律神経のバランスが崩れ太れない
また、精神的なストレスが続くと、心や体がリラックスできず、常に興奮状態、つまり交感神経が優位となり、自律神経のバランスが崩れ、消化・吸収が正常に行われなくなります。その結果、食べる量が減り、徐々に体重が減っていくようです。
③血糖値ホルモンが分泌されるため太れない
更にストレスが強くなると、血糖値を上げるホルモンが分泌されやすくなるため、食欲が低下します。こうした連鎖によって体重減少に繋がっていきます。
④食事制限してしまうので太れない
また、慢性的な下痢が続くため、食べると下痢をするという思い込みから、自然と食事制限をしてしまい、食べる量がり、徐々に痩せ、なかなか太れない人もいるようです。
たとえば、過敏性腸症候群では下痢だけでなく便秘の症状が出ることもあります。炎症性腸疾患では、発熱や貧血症状などが起こることもあります。下痢以外の症状に注目することは、原因となっている疾患を推定するうえでも重要といえます。
社会人生活、学校生活において、不安要素は簡単に払拭できるものばかりではありません。通勤時の満員電車や仕事量のバランスなど、個人では防ぎようがないことも多いですよね。テストや面接なども避けられることではありません。だからこそ、自らが心地いいと感じる生活の質を保ち、ストレスに打ち勝つ力を身につける必要があります。
①ストレス対策として
日常生活でリラックスできる工夫をしましょう。職場や学校から家に帰ったら、読書やテレビ、好きな音楽を楽しんだり、入浴時は湯船に長めに浸かったり。散歩や軽いスポーツで気分転換をするのもいいでしょう。たとえ短い時間でも、心と体を息抜きさせてみましょう。
②生活リズムを整える
毎朝決まった時間に起床し、なるべく同じ時間に食事をとるなど、自分の体にあった生活のリズムを作ることも重要です。食生活の乱れにも気をつけましょう。朝は軽く、規則正しく3食摂り、暴飲暴食を避け胃に負担をかけないようにしましょう。
③食事に気を付ける
冷水や冷たい食べ物はもちろん、脂質を多く含む食事も避けましょう。香辛料の多い食べ物やアルコールも腸に刺激を与え、腹痛が起きたり便通に変化を生じさせる場合があります。
おなかに良いと思われている牛乳や乳製品も、過敏性腸症候群から起こる下痢型の人の場合は、おなかをゆるくさせてしまうこともあるので注意しましょう。
水溶性食物せんいは、便を適度な硬さにしてくれるのでおすすめです。わかめ、もずくなどの海藻類や納豆などを摂るようしましょう。
③出勤・登校前にトイレの時間を
家での排便時間をたっぷり取れるようにすることが、不安の改善につながります。便意がなくても、朝食後は必ずトイレに行くと良いとされています。
公共交通機関を使っての通勤や通学なら時間に少し余裕をもって、途中下車しても大丈夫なスケジュールを組みましょう。通勤・通学ルートのトイレの場所を把握しておけばより安心です。
自分に合った下痢止めなどを常備しておくのもいいでしょう。便意への不安がストレスになる場合もあるので、電車内などでは好きな音楽を聞いたり、気分転換になる本を読んだりするのもおすすめです。
⑤腸内環境を整える
下痢は何といっても腸内の働きが悪くておこります。精神的なストレスや暴飲暴食による食不良などの生活習慣で慢性的な下痢、過敏性腸症候群になり易くなります。こうした腸内の環境では悪玉菌が増えて、腸内環境が悪くなるのです。腸内環境を整える、発酵食品であるヨーグルトや納豆食品あるいはサプリメントを摂ることで改善されます。
過敏性腸症候群の症状が「吐き気」という形であらわれる人もいます。吐き気を抑えたい時は、次のような方法を試してみましょう。
・リラックスしましょう
おなかに負担のない姿勢でイスに座り、ゆっくりと深呼吸をします。ストレスになるような思考から離れて、楽しいことや安らぐ場所を思い浮かべましょう。
・窓を開けて空気を入れ替えて
窓が開けられる場所なら、窓を開けて新鮮な空気を吸いましょう。電車内などにいる場合、時間が許すならば一度降りて外の空気を吸うのもいいでしょう。
ストレスの多い現代、もし過敏性腸症候群の症状があらわれてしまっても、その対処法を知っていることで不安の解消につながります。下痢や吐き気、おならなどの不安がストレスの原因にならないように、リラックスして改善をめざしていきましょう。
下痢や軟便になったら、慢性的な下痢になる前にまず、その原因を確かめましょう。慢性的な下痢になると栄養吸収が出来ない体となり、痩せてしまいます。下痢の原因によって、対処法は異なってきます。2、3日前から症状が起こる前後の思いあたる原因を探りましょう。
①食あたり
□ 賞味期限のきれた食品を食べた
□ 調理から時間の経った料理を食べた
□ 生もの・半生食(刺身、生カキ、生野菜、鶏肉、卵、牛肉など)を食べた
□ お弁当やサンドイッチを食べた
②水あたり
□ いつもと違う飲み水を飲んだ(旅行先の水道水、硬度の高い飲料水など)
□ 旅行先で氷の入った飲み物を飲んだ
□ 水分を摂りすぎた
□ ビール・お酒を飲みすぎた
③消化不良
□ 脂肪分・糖分の多い食べ物(揚げ物、焼肉、牛乳、ケーキ、リンゴジュースなど)を食べすぎた
□ 刺激の強い食べ物・飲み物(コーヒー、炭酸飲料など)を食べた
□ 香辛料の多い料理を食べた
□ 普段食べたことのない食べ物・飲み物を摂取した
④ストレス
□ 精神的なストレス(学校・会社に行く前、試験・受験・会議・面接などの大切なイベント前など)
□ 身体の冷え(冷房のかけすぎ、気温の変化)
⑤その他
□ 薬(抗生物質など)の服用
□ 牛乳や乳製品の摂取
□ 風邪(おなかの風邪)
日頃から体調に不安を感じる人は、自分の食事傾向や食事日記などつけると対処しやすくなります。まずは自分の体をチェックしましょう。
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。腸内環境が良好であれば有害なものが入ってきても、腸内が対処してくれます。実際、同じ物を食べても下痢になる、ならないは腸内の環境に寄ります。
ですから、常に腸内環境を良好にするには大切な事です。
キレイな腸には病気にならないと言われる程、生活環境による病気の9割は腸内が原因であることが多いのです。腸内環境を良好にするサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。
下痢になる原因は沢山ありますが、世の中が大変便利になった頃から下痢の原因となる物質が溢れ、下痢になる人、下痢が続く人が増加しています。その中の一つに、時代の流れと共に広がったファストフードなどに使われる油や材料を例に挙げてみましょう。
ファストフードとは
ファストフード(fast food)とは、短時間で調理、あるいは注文してからすぐ食べられる手軽な食品や食事のことです。日本では「ファースト」と記載されることが多いのですが、ファストはfast(迅速)の意味であり、firstではないのです。
日本のファストフードには、ハンバーガーだけではなく、牛丼・天丼・おにぎりなどのごはん類、ラーメンやうどんなどの麺類といった様々な種類があります。
ファストフードはどこでも手に入れることができ、安くて、簡単に食べられることもあり、食事や間食として利用されています。
しかし手軽さゆえに肥満のもとにもなりかねませんし、そればかり摂り続けると栄養バランスが悪くなってしまい、身体の不調を招きます。下痢の原因にもなります。
今や、ファストフードと言えばもっぱらハンバーガーやポテトなどが代表的なものになっています。たまに食べるハンバーガーやポテトは美味しいものです。ラーメンも美味しいです。
しかし、それらを食べるとなぜかお腹の調子が悪くなってしまうという人は少なくないようです。それらの下痢は、もしかしたら使われている油や材料が原因かもしれません。
ファストフードの一番の問題は油です。つまり、フライドポテト、チキン、唐揚げ、ハンバーガーのパテ(料理)などにはたくさん油が使われていますが、そのほとんどは何度も何度も使用されている汚い油です。こうした油は酸化されて過酸化脂質という物質が生成されます。
何度も何度も繰り返して油を使っていると、臭いがしたり、粘り気が出てきたり、加熱したときに泡が消えにくくなったりします。熱変化によって本来の機能を発揮できなくなった状態の事を「油が疲れている」といいます。
油が疲れる原因は、加熱による酸化現象です。油が酸化すると過酸化脂質となり、毒性の強いものになります。
摂取した過酸化脂質は、大部分が消化管で分解や還元を受け毒性は弱められますが、摂取量が多くなるとその一部(数%)は体内に吸収され、細胞の機能に異常を及ぼすといわれています。
それで、このような毒性が腸管組織を傷つけ、腸に負担をかけます。負担がかかった腸内では消化吸収に時間がかかり、がんばって働こうとする腸の蠕動運動を活発化させてしまいます。消化がきちんとできていないのに蠕動運動だけが活発になり下痢になるのです。
下痢になるだけならまだいいのですが、更には動脈硬化やガンの原因にもなるなどの影響を与えます。
油は長期にわたって保存していると、その過程で空気中の酸素、光、熱、水、金属、微生物などの作用により酸化します。つまり気を付けていても油は日常生活の中で少しずつ酸化してしまうのです。
酸化した油は臭いを発し、味が劣化し、栄養価が低下します。さらに酸化が進むと油は毒性をだし、過酸化脂質という物質が生成されます。
更に、油の酸化は加熱することによって加速していきます。揚げ物に使った油を永遠に使いまわすことができない理由はここにあるのです。
ファストフードは油をこまめに変えたりしませんから、酸化した質の悪い油をまとった食事をしているようなものです。身体にいいわけがありません。おなかの弱い方は絶対に食べないようにしましょう。
過酸化脂質とは酸化した油、あるいは時間がたった古い油のことです。使い古しの油、時間がたった干物やフライ、天かす、油の多いスナック菓子、保存状態の悪い乾麺など日持ちがよさそうな食品でも時間が経過するとその油は酸化します。
劣化食用油脂(過酸化脂質)による最も大きな食中毒事件は、1964年6月から8月にかけて発生した「即席めん」による食中毒です。この事件では、大阪府、京都府等の関西地域、静岡県や長野県の広域において69名が下痢、吐き気、嘔吐、腹痛などの症状を発症しました。
問題の即席めんの劣化度について、油脂中の遊離脂肪酸量を示す酸価が7.0~28.8、過酸化脂質量を示す過酸化物価が400~600 meq/kgであったことが報告されており、極めて劣化の進んだ油脂であることがわかります。
原因として、直射日光が当たるなどの極めて好ましくない保管状況であったことなどが想像されます。
近年でも、2009年仙台市衛生研究所報によりますと、即席めんの摂取によるとみられる吐き気、腹痛、下痢、発疹の症例の報告がありました。
食の欧米化によって、小麦のグルテンに対して過敏に反応してしまうグルテン不耐症が日本人にも増えているそうです。
グルテン不耐症はアレルギーではなく、小麦粉に含まれるグルテンというタンパク質の一種を身体の中で分解できず、下痢などを起こしてしまう症状です。
ファストフードはパンや麺類などなどあらゆるところに小麦が使われているので、グルテンが身体に合わないことが原因で下痢が起きているのかもしれません。
生まれつきではなく、小麦の摂取量が増えることで発症することがある症状なので、パンやパスタでも起こりうる症状です。
また小麦に含まれる残留農薬も影響があります。更にハンバーガーの肉が原因で下痢になるという食中毒も起きています。
あるアメリカの家族がお店でハンバーガーを食べて、3日後に10歳の女の子が突然、激しい腹痛と下痢になり、下痢止めを飲んだところ症状は更にひどくなり血便が出るようになりました。この時同じような症状の人が600人くらいいたようです。下痢の原因は「Oー157」でした。
「Oー157」は激しい腹痛に下痢を引き起こす最も恐ろしい病原性大腸菌で、胃酸の中でも生き残り、大腸、そして他の臓器へと広がり合併症を引き起こし、死に至る事もあります。それが出す毒素は青酸カリの5000倍の毒性です。赤血球や血小板を破壊する恐ろしい病原菌です。
検査の結果的、ハンバーガーによる食中毒はお店のハンバーガーを充分に加熱せずにお客様に提供していたことがわかり、牛肉の加熱不十分が原因だと分かったそうです。
牛を処理する際に、菌が肉の表面に付着してしまう場合があります。表面に付着した菌は、増殖していきますが、肉の中には侵入しません。ですからステーキなどは表面がしっかり焼かれるため、菌は死んでいきます。中がレアでも、菌は侵入していないので、ステーキでの食中毒の被害は殆どないのです。
しかし、ハンバーグの場合は菌の付いた肉がミンチされ、混ぜることで「O‐157」が中に入ってしまい増殖してしまいます。中までしっかり火が通っていなければ菌は生きている可能性が高いのです。
昔の人、特に庶民は食べ過ぎるなんてことはなかったので、油の食べ過ぎを心配する必要はありませんでした。しかし、飽食の時代である今は、普通の人でもうっかりしていると油脂を取り過ぎて生活習慣病になってしまいます。
そのように扱いが難しい油脂の中で、もっとも危険だと思われているのがトランス脂肪酸です。ハンバーガーなどや市販のお菓子にはトランス脂肪酸がたっぷり入っています。トランス脂肪酸は液体である植物油に水素を添加してできた固形の油がトランス脂肪酸です。
ですから食べるプラスチックとも言われている「マーガリンやショートニング」です。
なぜ植物油を固形にするかというと、食品にトランス脂肪酸を入れれば、その食品が長持ちするので、輸送やスーパーマーケットに並べておくとき都合がよく、全体としてコストを抑えることができます。液体の油は酸化しやすいのです。
メーカーによっては、食品を揚げる油に部分的にトランス脂肪酸を使っています。そうすれば、その油の持ちがよくなり、頻繁に取替えなくてすむからです。
トランス脂肪酸を摂り過ぎると、腸内環境が悪化し、下痢をはじめ、血管が詰まって(動脈硬化)、心臓病になるし、肥満、高血圧、糖尿病、アレルギーなどを引き起こすと指摘されています。
日本政府は、トランス脂肪酸の危険は、ふだん油っぽい食事をしている欧米人の話で日本人は関係ありません、国連の言ってる1%に満たない人ばかりです、それに今調査中です、と言って表示義務を課していません。
ファストフード、つまりハンバーガー、牛丼、ラーメンばっかり食べていると消化不良を起こしてしまいます。消化しきれていない食べ物のカスが残っていれば、腸内で悪玉菌がどんどん増えていきます。ガスも増えますし、いいことありません。
悪玉菌が多い腸内では善玉菌が働くことが出来ず、悪玉菌による有害物質などが増えていくことで、腸内環境はどんどん悪化していきます。下痢だけでなく、様々な症状にも悩まされるようになってしまいます。
ファストフードだけが原因ではありませんが、乱れた食生活を続けていたことで大腸の粘膜に異常が起きて下痢を起こしてしまうことがあります。
潰瘍性大腸炎などはその一例ですが、腸の状態が悪くなっているところに、消化の良くないファストフードを食べることで、下痢を起こしてしまうのです。
元々日本人には少ない症状でしたが、食や生活スタイルの変化によって、悩まされる人が増えてきた病気です。胃もたれ、食欲不振、下痢、便秘など、胃腸の不調を感じている時には、ファストフードは避けた方がいい食事です。
下痢は、こうした毒素を早く体外に排出しようという一種の防御反応でもありますから、ファーストフードで下痢をする方は、考え方を変えれば、それだけ他の人より毒素を摂取する機会が減っていることにもなります。自分の敏感で優秀な胃腸に感謝しましょう。
今は下痢の原因となるものは満ち溢れています。下痢の原因となるものがわかれば出来るだけ食しないようにすることが健康になる秘訣です。
下痢になる、下痢が続くなどという人はとかく消化のいいものを好んで食べがちです。特にパンは消化がいいからと思って食べておられるのではないでしょうか。パンは消化に悪いです。添加物の多い食べ物です。
毎日知らずに摂っている添加物はたくさんあります。腸が弱い人は、腸内環境が悪くなっています。
ちょっとした刺激でも下痢になってしまいます。案外下痢の原因は身近にあるという事もあります。
毎日食べるものがあなたの身体を作ります。悪いものを摂っていればそれだけ不健康になります。
しかも、すぐにではなく、時間をかけてゆっくりと身体は蝕まれていきます。
できるだけ身体に良いものを食べ、善玉菌の多い腸内環境にすることが病気にならない秘訣です。なぜなら生活習慣病の9割は腸内環境の悪化が原因だからです。
腸内善玉菌を増やし、腸内環境を強化するサプリメントがありますので、上手に利用して下痢を改善しましょう。※
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