下痢の原因・消化が不十分

下痢の原因は多種多様です。近年下痢になる、下痢が続く人は年々増え続けています。

下痢が続く原因・・消化が不十分な食環境
なぜ下痢はそんなにも多くあるのでしょうか。その下痢の原因の多くは食べ物の変化にあるようです。

食べ物や食環境などは昔に比べると遥かに豊富で美味しく人間を楽しませているものになっています。

しかし、科学が発達し、添加物などが多く含まれる加工食品が増え、結果的に人にとって有害な物となって、健康を損なうもの増えています。

自然の下痢は腸の掃除
悪いものを食べたりした心当たりがないのに、下痢が起きる場合があります。腸は、自分の調子を整えるために、腸みずから掃除のために下痢をすることがあります。

これは、自然の「腸洗」という現象で、心配のない下痢です。食事の質、量、食べ方や消化状態によって消化が充分に行われなかった場合、腸内では食べ物が腐敗発酵し、腐敗分解酸性物質が多量産生されます。
下痢の原因は悪い腸内環境

つまり、揚げ物や脂の多い肉ばかり食べていると食べた物が十分に消化されないで、腐敗菌がどんどん増え、毒性の強いタンパク質由来のアミン類が発生し、身体に害を及ぼします。

健康な腸内の液性は中性ですが、腸内の腐敗の度合が高くなると、硫化水素や硫酸塩、有機酸類など悪臭を放つ強酸性物質が産生され、腸内が強く酸性化します。

このような酸性腐敗便は通常、すみやかに下痢として体外へと排出されます。ですからそもそも下痢は、自分の健康・生命を守るために、このような毒性の強い腐敗産物を一刻も速く体の外に出そうとするのです。

したがって、体の機能が正常であれば、高度の消化不良による大量の腐敗産物産出の危機が訪れた際には、下痢が自然と生じ、健康や生命が守られるように人間の体はうまく作られているのです。

 また、牛乳を飲むと下痢をするといった場合のように、原因がはっきりしているときの下痢も、心配のない下痢で、下痢以外の症状が無く、通常は1~2日で元に戻ります。ちなみに、牛乳で下痢をする場合を 『乳糖不耐症』といいます。  

食べ過ぎで起きる下痢
食べたものが下痢としてそのまま出てきているということは、食べたものがきちんと消化・吸収されずに排出されてしまっているという状態、つまり消化不良を起こしているといえます。消化不良を起こす原因には様々あります。

•コンビニ弁当や外食中心の食事
•夜10時以降に食事をすることが多く、その後すぐ寝てしまう
•1日の食事摂取量が多い(食べ過ぎ)
•動物性たんぱく質(肉や魚、卵や乳製品など)の摂取量が多い
•甘いものをよく食べる(甘味料の摂りすぎ)
•アルコールの量が多い
•喫煙している
•早食い、噛む回数が少ない
•自律神経の乱れ

なぜこのような原因で消化不良が起こってしまうのでしょうか。まずは消化とはどのようなことが体の中で起こっているのか知っておきましょう。



消化とは

消化は、口をスタートし食道、胃、腸を経て肛門までの1本道で行われます。そして消化液を作ったり分泌したりする、肝臓、膵臓(すいぞう)、胆嚢(たんのう)を加えて消化器系と呼んでいます。

消化の役割は、食べた物の栄養分や水分を体に吸収することです。

人の体は、水分、塩分、ビタミンは直接血液中に取り込むことができますが、食べ物の大部分である炭水化物やタンパク質、脂肪は大きな分子でできているためそのまま体に取り込むことができません。

そこで、これらの大きな分子を小さくして吸収できる形に変える分解作業が必要になります。初めの分解は口になかで噛み砕かれ、唾液(だえき)によって溶かされることから始まります。

そして食道を1分ほどで通過し胃へと運ばれ、分泌される強酸性の胃液によってドロドロに溶かされます。

胃液によって溶かされる食べ物は種類によっても違いますが、大体4時間程かかるといわれています。次は十二指腸で胆汁(たんじゅう)や膵液(すいえき)と混ざり、さらに分解されて吸収できる形になっていきます。

その後、小腸に送られて栄養分や水分が吸収されるのに約8時間、大腸へと送られてさらに水分が吸収されるのに約10時間かかるといわれます。その過程を経て、不要な物が便として肛門から排出されるのです。

分解が正常に行われ、きちんと栄養分や水分が吸収されることが正常な消化です。消化にはこれだけ様々な過程があるため、どこか1か所でも不具合が起こると消化不良と呼ばれる状態になります。

消化不良は、下痢だけでなく吐き気や嘔吐(おうと)、胸やけや体重減少などが起こることもあります。



病名や改善方法、治療法はなに?

消化不良が起こると、腸内にたくさんの有害物質がたまり吸収されて、血液中に溶け込んで体中に運ばれてしまいます。それにより、体中の臓器や免疫系にダメージを与え、様々な病気を引き起こしてしまいます。

消化不良が起こる病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

•逆流性食道炎
胃で分泌される胃酸が食道の方まで逆流する症状です。胃の内壁はアルカリ性の粘膜で覆われており、強酸性の胃酸を中和することで、胃の内側が溶けるのを防いでいるのですが、食道にはそのような機能はないため、胃酸によって内壁が溶かされてしまいます。下痢、消化不良、胸の痛み、慢性的な咳、喉の違和感などの症状が現れます。



•胃潰瘍

胃の粘膜が傷ついてできた欠損が、粘膜の下の筋層まで達してしまい出血したり固くなったりする病気です。胃もたれ、吐き気、嘔吐、下痢、消化不良、黒い便(タール便)などの症状が現れます。

•十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)
腸内壁の粘膜の下にある筋層まで炎症が広がり、潰瘍ができる病気です。下痢、消化不良、激しい腹痛、胸の痛み、潰瘍部分からの出血により吐血(とけつ)や黒い便(タール便)などの症状が現れます。

肝硬変
肝炎ウイルスが主な原因でおこる肝炎が長引くことにより、肝臓の細胞が破壊され線維化(せんいか)することで肝臓が硬くなり、消化液などの生産が低下してしまう病気です。むくみ、黄疸(おうだん)、下痢、嘔吐、消化不良、腹水、鼻血、意識障害などの症状が現れます。

慢性膵炎
膵臓の炎症が慢性的にくり返されることで組織が線維化して硬くなり、消化に必要な膵液などの分泌が低下してしまう病気です。上腹部の痛み、下痢、嘔吐、消化不良、食欲不振、黄疸などの症状が現れます。
 
•アジソン病
結核菌の感染や、免疫異常のガンの移転などが原因で発症する病気です。脱力感、倦怠感(けんたいかん)、下痢、嘔吐、消化不良、低血圧、腹痛、皮膚に黒い斑点のような色素沈着(しきそちんちゃく)などの症状が現れます。

•クローン病
口から肛門までのすべての消化管に発症する原因不明の難病です。特に多く発症するのは小腸や大腸です。腹痛、下痢、嘔吐、消化不良、発熱、体重減少などの症状が現れます。

•吸収不良症候群
栄養分が消化管から吸収されなくなる症状を総じて吸収不良症候群をいいます。下痢、嘔吐、消化不良、体重減少、栄養失調などの症状が現れます。

•潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に炎症が起き、潰瘍ができる病気です。下痢が続く症状から始まり、消化不良、血便、腹痛、発熱、貧血などの症状が現れます。

胃下垂
胃が正常な位置よりも垂れ下がった状態で、自覚症状がなければ特に病気ではありません。しかし、胃の蠕動運動(ぜんどううんどう)が正常に行われなくなり、消化不良や食欲不振につながることもあります。

 消化不良を起こす病気はたくさんあり、中にはとっても怖い病気もあります。長引く時はきちんと病院で検査してもらい、病名をはっきりさせた上できちんと治療を受ける必要があります。食べた物がそのままでてくる下痢を改善するために家でできる対処法はどんなものがあるのでしょうか。

1、暴飲暴食を控える
食べ過ぎや飲み過ぎ、早食いは胃腸に負担をかけ、消化不良を起こしやすくします。腹八分目を心がけ、ゆっくりと良く噛んで食べることを習慣付けましょう。また脂の多い肉やバターなどの脂肪分の多いものを摂り過ぎないよう注意します。寝る直前の食事は消化不良の大きな原因になるのでやめましょう。

2、健康的な食生活を心がける
食事を規則正しい時間にとることで、胃腸の活動が健康的になります。固い食べ物や脂肪分の多い食べ物は消化に時間がかかるため、できるだけ煮込んで柔らかくするなどの工夫が必要です。

3、食後に休息を取りましょう
食べ物を消化するためには胃や腸に多くの血液が必要になります。しかし食後すぐに仕事をしたり、外出するなど体を動かしてしまうと、消化に必要な血液が運動の方へとまわされてしまい、胃や腸の働きが低下してしまいます。

4、心にも疲れをためない生活を心がけましょう
その日の疲れはその日のうちに解消できるのが理想です。家に帰ったら、読書や音楽鑑賞など趣味の時間を作り、短い時間でもリラックスできる環境づくりを習慣化しましょう。

また睡眠時間を確保することも大切です。ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かったり、ストレッチをするなど、深い眠りを得るような工夫をしてみてください。

 消化不良には食事療法が1番効果的
消化不良を改善するには、生活習慣の見直しやストレス発散なども大切ですが、何と言っても食習慣を改善することが最も効果的です。具体的にどのようなことをすればよいのか紹介します。



•食事を何回にも分けて少しずつ摂る

できれば5~6回に分けて食事をします。腸に食べ物がたまる不快感や下痢などを軽減することができます。

•高脂肪食を控える
バター・マヨネーズ・揚げ物・チョコレート・ナッツ類などの脂肪分の多い食品を控えましょう。

•消化しやすいものを食べる
果物や野菜は、可能な限り皮や種を取り除くようにしましょう。また生で食べるより調理したものをゆっくり食べるのが良いでしょう。
 
•乳糖を控えましょう
牛乳や乳製品に含まれる乳糖は下痢を悪化させる恐れがあります。ヨーグルトやチーズは大丈夫という人も多いので、自分の症状を確認しておくのも大切です。


•飲み物は、できるだけ食事とは別で摂ろう

食事時間とずらすことで、胃の中の内容物の量が多くなりすぎるのを防ぐことができます。•カフェインの量に気をつけましょう 。コーヒー・紅茶・お茶・コーラなどに多く含まれていますので、飲み過ぎに注意しましょう。

食べられる量や食べ物の種類は個人差があります。基本的には、食べることにより不具合が起こらなければ大丈夫である場合が多いです。

まとめ
食べたものがそのまま下痢と一緒に出てくるということは、胃や腸で食べた物が正常に消化吸収されていないサインです。
原因は日頃の食生活などが原因の事が多いのですが、中には重篤な病気によって現れている症状の場合もあるので、長引く場合はきちんと病院で診てもらいましょう。

あらゆる病気の原因の殆どは生活習慣からきていると言われています。毎日の食習慣を今一度見直してみるのも良い方法です。

腸内環境を整えよう

健康の要は何といっても腸がとても重要な位置を占めています。人は食べる事で健康を維持することが出来ています。ですから食べた物を健康維持することが出来る様にするのは腸内の役目だからです。

しかし腸は非常にデリケートな臓器ですので細心の注意が必要な臓器です。

腸内の健康を維持管理しているのは、私たちの心と腸内に棲む細菌達です。この腸内細菌達が棲みやすいようにすることもとても大切です。

腸内環境を整えるサプリメントがありますので、上手に利用してみましょう。下痢の改善は一段と早くなります。