下痢の原因・酵素不足

下痢の原因は多種多様で、人によって下痢の原因は異なります。また同じような下痢の原因でもその症状は人の体質などで大きく変化します。その中の一つに酵素不足による下痢の原因が挙げられます。

下痢の原因は体内の酵素不足

酵素は食物を消化分解するほか、呼吸、運動、思考、そして自然治癒力までも左右する、とても重要な働きを担っています。
酵素がなければ私たちは生きていけない、とさえ言える存在なのです。こうした酵素が体内で不足して下痢になる人が増えてきています。

酵素とは

酵素は身体の中で作られ、消化酵素と代謝酵素の2種類があります。 消化酵素は 食べ物を体内で消化して、必要な栄養素をとりこむために必要な酵素です。唾液、膵液などの消化液に含まれるほか、腸内細菌も消化酵素を作り出します。

代謝酵素は栄養素をもとに身体の各細胞を作り上げたり、呼吸や運動に欠かせない化学反応に関わっています。また、老化を防ぎ、毒素を解毒し、免疫力や自然治癒力にも働くなど、生命に関わる重要な役割を持っています。

人が一生の間に作ることができる限られた量の酵素を潜在酵素と呼んでいます。消化酵素と代謝酵素は同じ一つの潜在酵素から作られます。

したがって、消化酵素はなるべく食べ物から摂り、体内で作られる酵素はできるだけ代謝酵素として、自然治癒力などのために働けるようにするのが長生きの秘訣と言えます。

酵素不足で起きる下痢

●消化不良
消化不良による下痢は、体内の消化酵素が足りない時に起こります。

もともと潜在酵素が不足して消化に必要な酵素が足りなくなっているか、食べ過ぎたりすると普段よりも消化に必要な酵素が多量に必要になり酵素が足りなくなって消化不良を起こし下痢になります。
若者の腸が危ない

●臓器の酵素の分泌が悪い

油っこいものを食べると起る下痢は、膵臓や胆のうに原因がある場合が多いのです。例えば胆のうから出る胆汁は脂肪を鹸化する働きがあるのですが、それがうまく働かず、脂肪がうまく消化されないために下痢をするのです。
また膵臓からは脂肪を分解する酵素リパーゼが分泌されますが、この分泌が少なくなると脂肪分を多く摂った場合には下痢をするのです。
下痢の原因は胆のうに

●特定の酵素が体内で作れない

牛乳を飲むと下痢をする場合、乳糖不耐症と言って牛乳を分解する体内酵素が無い人に起こります。

乳糖分解酵素であるラクターゼが欠乏あるいは活性が低下することにより乳糖が分解されず、腸の中に残ることで 、腸管内の浸透圧が上がり、浸透圧性下痢症を起こすものです。

牛乳など乳糖を含む食物の摂取によって、腹痛、腹鳴(ふくめい)、腹部膨満感、水様性下痢を生じます。

またお酒を飲むと下痢をする人はアルコールを分解する酵素が体内で作れないのです。アルコールを分解するALDH(アルデヒド脱水素酵素)はアセトアルデヒドが低濃度の時に働く「ALDH2」と、高濃度にならないと働かない「ALDH1」があります。

日本人の約半数は、生まれつき「ALDH2」の活性が弱いか欠けています。このタイプはアルコール分解産物である有害なアセトアルデヒドを速やかに分解できないため、少量のアルコールでも悪酔いしやすい、つまりお酒に「弱い」タイプの人です。

また生まれた時から酵素を持っていなくて全く飲めない人もいます。お酒に強い人は活性度が高いタイプの酵素を持っていて、アセトアルデヒドの分解速度が速く、気分が悪くなることなく飲むことができます。

活性度の低いタイプの人はアルデヒドの分解に時間がかかる、つまりアルデヒドの毒性に長時間さらされ、飲酒に関連する病気を罹患しやすく、激しい頭痛や吐き気、下痢などの二日酔いに悩まされます。

一つの仕事しかできない酵素

潜在酵素には消化酵素、代謝酵素の二種類があります。今発見されている酵素は約3000種で、今後も新しい酵素がどんどん発見されています。

しかし、3000種類あるといっても、それぞれの酵素はそれぞれ一つの仕事しかできません。また体内で生成されるのは一定量と決まっており、その数も年齢とともに減少していくことがとわかっています。

体内の潜在酵素は「消化」と「代謝」、その都度必要な方の働きをすることになりますが、ほとんどは消化の方に優先的に使われています。

一つの仕事しかできない酵素

消化酵素は、食事から摂取した栄養素を分解して、消化や栄養素をスムーズに吸収させるなど、主に食べ物の消化・吸収を助ける働きをしており、消化活動に必要な酵素です。

唾液に含まれるアミラーゼは、デンプンをブドウ糖に、胃液に含まれるペプシンやプロテアーゼは、たんぱく質をアミノ酸に分解するなど、それぞれの栄養素を分解、消化・吸収するために働きます。

たとえば、ご飯やじゃがいもに含まれているデンプンはアミラーゼによって分解されます。口の中で食べ物をたくさん噛んでいると、唾液に含まれる唾液アミラーゼによって、デンプンが消化され食道から胃に運ばれます。

内容物が胃から小腸へ運ばれると、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシンといった消化酵素が分泌し、脂質、たんぱく質、炭水化物を分解、消化します。

消化酵素の働きによって分解された栄養素は、小腸で吸収されて体のエネルギーへと変わります。

この消化活動がスムーズに行われれば、栄養素を体内にくまなく運ぶことができ、免疫力や新陳代謝のアップ、肥満防止など体も健康体へと変わることが期待できます。

しかし、消化活動がスムーズに行われなくなると、下痢となるのです。
下痢の原因1

●代謝酵素

消化酵素が食べ物の消化に働く酵素だとすると、代謝酵素は体を動かしたり病気を治すなど、生命活動に働く酵素です。食べ物が消化すると、吸収された栄養素はエネルギーへと変わり、さまざまな体の機能をサポートに力を発揮します。

簡単に言うと、代謝酵素は免疫力を上げたりホルモンバランスを整えるなど、体の調子をよくするために働く酵素になります。

肉料理やジャンクフードといった食べ物は、胃にかかる負担が増えるだけでなく、これらの食べ物を消化するために大量の酵素を使うことになります。

そうなると、代謝に使われる酵素も消化に使われてしまい、体内に必要な代謝酵素までも減ってしまいます。

不規則な生活や乱れた食生活を送っていると、消化酵素がたくさん消費され体内に必要な代謝酵素が働かず、肥満や老化など体調不良の原因に、ひいては長引く下痢にもつながっていきます。

代謝酵素を増やすためには、消化酵素の浪費を防ぎ節約していくことが大切です。生野菜や発酵食品など、酵素がたっぷり含まれた食べ物を意識して摂り入れることを心がけてください。

腸内環境を強化しよう

「元気の元は胃腸から」と言われているように食べた物を消化・吸収するのは腸内の働きに罹っています。近年、こうした腸内細菌が健康に与えるよい働きも悪い働きも、腸内細菌が作り出す「腸内酵素」によって行われていることが判明されてきました。

 肝臓は、解毒や代謝、合成や排出など、多くの種類の酵素を作って体を支えている重要な器官であり、体内酵素を作る臓器としてはダントツですが、肝臓よりもさらに多くの酵素が腸内細菌によって作られています。

腸内細菌が活発に働くには腸内善玉菌が多い腸内環境にならなければなりません。腸内環境を良くするサプリメントがありますので上手に利用しましょう。