下痢の原因ヒスタミン中毒

下痢が続く原因には、ストレス、病気、自律神経の乱れ、ウイルス、細菌、冷えなど様々あります。
夏場の暑い時期にはもちろん食中毒にも気をつけなければなりません。

秋や春も突然気温が高くなる日がるので要注意です。特に朝夕と涼しくなり、気温に気を許してしまいがちになりますので、食べ物の腐敗には注意が必要です。

下痢原因はヒスタミン中毒(魚のアミノ酸の一種)

「ヒスタミン中毒」という言葉を聞いたことがありますか?
青魚や赤みの魚を食べることで誰にでも起こる可能性のあるものです。
特にお腹が弱い方がなりやすいというわけでもなく、健康な人でも下痢になり得るものです。

サバ、イワシ、あじ、さんま、ぶり、まぐろ、かつお、しいら、カジキなどの青魚や赤身の魚の体内にはヒスチジンというアミノ酸の一種が含まれています。
魚が海から水揚げされて死んでしまうと、体内のバクテリアが活性化してヒスチジンを分解し、ヒスタミンという物質を作り出すそうです。

魚肉中でヒスタミンが増える理由

ではなぜ、魚肉中でヒスタミンが増えるのでしょうか?
原因となる食品はいわゆる赤身魚(マグロやサバといった血合いが濃い魚)であり、刺身以外でもイワシやサンマの干物やサバ缶でも起こっています。

赤身魚は筋肉中にアミノ酸の一種であるヒスチジンを多く含んでいます。
魚を室温で放置していると、ヒスチジンをヒスタミンに変える酵素を持っている細菌(ヒスタミン生成菌)が増殖し、それに伴いヒスタミンも増えるのです。

また、魚の腐敗の指標となるアンモニアなどの生成量 がまだ少ないにもかかわらず、ヒスタミンは大量に産生されることがあり、気づかずに食べてしまうと食中毒になるのです。

現在ヒスタミン食中毒を引き起こすとされている菌は、もともと人や動物の腸内にいる菌であるため、細菌の汚染は魚が水揚げされてから以降に起こります。

そのヒスタミンを私たちが多く摂ってしまうと、ヒスタミン中毒となってしまいます。魚の体内のバクテリアは20℃から40℃になると活発に増えてしまうのだそうです。

ですので、夏場の暑い時期は特に注意が必要になってきます。スーパーで魚を買って、家の冷蔵庫までの時間が長ければ長いほど、ヒスタミンは増えていきますし、ただでさえ暑いので腐りやすいということになってしまいます。

では、低温だったら大丈夫かと言われると、これもまた100%安全だとは言えず、冷蔵保存していてもヒスタミンは育つことができてしまうのです。

加熱しても死滅しないヒスタミン

サルモネラ菌を初めとする菌は熱に弱いと言われていますので、加熱処理すれば菌は死滅してしまいます。
しかし、このヒスタミンは加熱処理しても死滅しないのです。低温でも高温でも死滅もしないし、増えていってしまう厄介なものです。

缶詰のシーチキンがこのヒスタミンが大量に検出されたことで回収したこともあるそうです。缶詰というと衛生管理が行き届いた工場で作られているので、安心と思ってしまいます。
が、工場が問題ではなく、このヒスタミンが困りものなのです。

よく、魚や肉は冷凍保存することもあります。ヒスタミンは冷凍されてしまうと増えることはないのですが、減ることもありません。ですので、冷凍の前の段階で増えてしまっていると、解凍して調理をしてもヒスタミンの量が多いまま口に入ることになります。

ヒスタミン中毒の症状

ヒスタミンが大量に含まれた魚を食べてしまうと、数分から2~3時間という短い間に、じんましん、口や顔が赤くなる、頭痛、嘔吐、下痢、腹痛、めまいなどの症状が出ます。

ほとんど1日で治まるもので、呼吸困難やアナフィラキシーなどの重症な症状は報告されてはいませんが、注意しましょう。

どの症状が現れるかは、摂取したヒスタミンの量 や患者の個人差によりますが、心臓や呼吸器に基礎疾患のある人が発症した場合、重症となる可能性があるので注意が必要です。

一般的には、魚肉中に500μg/g以上のヒスタミンが蓄積されると食中毒が起こるとされていますが、感受性の高い人ならば50μ g/gで発生する場合もあります。

口に入れた瞬間にピリピリする魚はヒスタミンが多く発生している可能性がありますので、そこで口に入れるのは止めましょう。秋の旬の食べ物の代表である「さんま」。
新鮮なものを新鮮な内に食べるようにしましょう。加熱したからと言って安心、下痢にならないなんてことはないのです。

ヒスタミン中毒にならない為には

・新しい魚を購入する

・購入後はすぐに冷蔵庫に入れ、早めに消費する

・解凍するときには、冷蔵庫で解凍する

など、魚の体内でヒスタミンをいかに増やさないかを考えなくてはいけません。食欲が増してくる秋ですが、食べ過ぎにも注意し、下痢にならないようにしましょう。

輸入魚には特に注意

冷蔵中は菌の増殖およびヒスタミンの生成は完全ではありませんが抑えることができるので、魚が水揚げされてから私たちの口に入る間の冷蔵保存が重要となります。

しかし、近年は発展途上国からの魚の輸入が増えており、ヒスタミン食中毒の予防で最も大事だとされる水揚げされてからすぐの冷蔵が適切に行われていない場合があります。

この場合、食品中でヒスタミン生成菌がかなり増殖しており、ちょっとした隙に(たとえば買い物帰りの長話の間に)ヒスタミンを生成してしまうのです。

また通常、ヒスタミン生成菌は低温ではヒスタミンを生成できないとされていますが、大量 に菌が増殖した場合は冷蔵中もヒスタミンを生成するとの報告があります。

赤身魚は買ってきたらできるだけ早めに食べるか、保存するなら冷凍すべきです。ヒスタミンは102℃で3時間加熱しても一部しか壊れないため、「少しぐらい傷んでいても加熱すれば大丈夫だろう」と考えるのは大きな間違いです。

下痢の改善には腸内環境を強化

人は食べる事で健康を維持し、病気を予防しています。ところが、近年は世界中の食べ物が溢れ、便利なものや、美味しいものばかりなど偏った食事をする方が多くなっています。
こうしたバランスの悪い食事は腸内環境を悪くしてしまいます。食事に気を付け、腸内環境が良くなると、体は健康になります。腸内環境を良くするサプリメントなどがありますので上手に利用してみましょう。下痢の改善は一段と早くなります。